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2018年12月16日日曜日

All's Fair at the Fair(博覧会へ行こう)

監督:デイヴ・フライシャー
公開日:1938年8月26日
評価:★8


奇抜なアイデアと美しい背景美術が魅力的な傑作


『カラー・クラシック』第25作。
前作『スパンキー登場(Hunky and Spunky)』は「シリ―・シンフォニー」の二番煎じ的な作品だったが、本作はフライシャー特有の都会的なセンスが遺憾なく発揮されており、文句なしに楽しい傑作となった。チーフアニメーターはマイロン・ウォルドマンとグラハム・プレイス。同時期のカラー・クラシックやベティ・ブープといったシリーズの作品を数多く担当した常連アニメーターである。

ある田舎っぽいカップルが、馬に乗って万国博覧会に訪れる。そこではインスタント・ハウスやオレンジジュースの自動販売機といった珍発明の数々が展示されており、その面白さにカップルは大喜びする。次に2人は美容室へと赴くが、なんとメイクや調髪をしてくれるのは全てロボット。田舎っぽい風貌から一変し、見違えるほど都会的で綺麗になった2人はダンス会場へと向かう。
ダンスミュージックの演奏はもちろんロボット、ダンスパートナーもロボットである。ラテンとスウィングのリズムに合わせて楽しく踊った後の2人はいよいよ会場を後にする…のかと思いきや、なんと自動車の自動販売機があるではないか。男は組み立て式のロードスターを購入し、急いで組み立てる。組み立てが完了すると、2人は車に馬を乗せて物凄いスピードで会場を後にするのだった。

かつての『ベティの発明博覧会(Betty Boop's Crazy Inventions)』や『グランピー』シリーズで発揮された奇抜な珍発明のアイデアが再びたっぷりと楽しめるのが、本作の最大の魅力である。
フライシャーはこうしたSF調の作品をサイレント時代から得意としており、後の「スーパーマン」シリーズもこうした作品群の系譜の一つと言えるだろう。事実本作では、「スーパーマン」を彷彿とさせるモダンで魅力的な美術背景が全編に亘って用いられている。
ギャグやストーリー性こそ薄く単純な科学礼賛に徹した内容ではあるが、その魅力は現在観ても全く色褪せていない。むしろ、こうした科学技術に純粋な夢を抱けなくなった現代だからこそかえって魅力的に映る、再評価されるべき傑作なのかもしれない。
残念ながら、本作以降都会的なセンスが光るモダンな作品は「カラー・クラシック」から二度と産み出されなかった。フライシャー・スタジオは、こうした傑作を生みだしつつもシリーズの作風をよりディズニー調な物へと変化させていったのである。

 

※収録DVD:Max Fleischer's Color Classics: Somewhere in Dreamland

2018年11月16日金曜日

An Elephant Never Forgets

監督:デイヴ・フライシャー
公開日:1935年1月2日
評価:★5

ゾウは決して忘れない…?


『カラー・クラシック』第3作。
作画チーフはシーモア・ネイテルとローランド・クランドルで、どちらもフライシャー作品ではお馴染みのベテランアニメーターであり、『ベティ』『ポパイ』など数多くの作品に携わっている。

舞台はジャングルにある動物学校。楽しそうに登校する動物たちの中でもひと際目立つのが、低い声で歌いながらスキップするゾウと泥まみれになって歩くブタ、そしてカタツムリよりもゆっくり歩くカバの三匹である。ゾウが学校に着くと、さっそく彼はゴリラにいじめられてしまう。怒ったゾウは「ゾウは絶対に忘れないぞ」と呟くのだった。そんな騒動をよそに、ダチョウの先生が授業を始める。ここからこの作品のテーマ曲が始まり、歌に合わせて先生が問題を出すのだが、誰も質問に答える事ができない。
そんな生徒たちを見てゾウは「僕は絶対に忘れない」と自慢するのだが、いざ自分が当てられると何も答えることができない。みんなはゾウを指さし大笑い。
こうして授業がひと段落すると、次の時間はテストである。先生に代わってカメがテストの指示をするのだが、カンニングが行われたり教科書の投げ合いが始まったりともう教室はめちゃくちゃ。ところが先生が戻ってくると教室はすぐ静かになった。騒動に気付かない先生が帰宅の指示を出すと、動物たちは一斉に下校する。校舎の前でずっと眠っていたカバが、下校時間になったとわかるやいなや猛スピードで下校を始めるというギャグが面白い。
ゴリラとゾウもスキップしながら下校するのだが…。ゴリラがゾウの腰を蹴ると、なぜかゴリラは猛烈に痛がる。なんとゾウの腰には洗濯板が入っていたのだ。ゾウは学校でいじめられた事を決して忘れておらず、見事に復讐したというカタルシスを感じるオチで物語は終わる。

本作は2色式テクニカラーで製作されており、しかも現存するプリントの状態も決して良くないため、色彩は正直言って微妙である。それよりも、冒頭で使用されるステレオプティカル・プロセスが独自の輝きを放っている。「カラー・クラシック」の最大の魅力は、こうしたセットバック撮影をふんだんに用いていることだろう。また、サミー・ティンバーグによる快活な音楽も魅力的である。
本作はフライシャー・スタジオとしては1935年に公開された初めての作品であり、この年辺りからスタジオの作風はディズニーの影響を受けたより穏当なものに変化していく。
そうした流れは本作の欠点からも読み取れる。キャラクターデザインは従来の『フライシャー・スタイル』とでも言うべき奇妙なデザインを踏襲しているが、物語やギャグから独特のアクや毒っ気が消え、完全に子供向けな作品になってしまっているのだ。
楽しめない事はないが、少し消化不足の感がある惜しい作品である。



※収録DVD:Max Fleischer's Color Classics: Somewhere in Dreamland
(上記のDVDだが、残念ながら本作にて音ズレが発生している。音質もあまり良くないため、その辺りを気にされる方は注意した方が良いかもしれない)

2018年10月31日水曜日

Minnie the Moocher(ベティの家出)

監督:デイヴ・フライシャー
公開日:1932年3月11日
評価:★10


フライシャーの怪奇趣味がキャブのブルースと見事に融合した傑作


『トーカートゥーン』第34作。1932年から1933年にかけてフライシャー・スタジオでは名ジャズシンガーのキャブ・キャロウェイをフィーチャーした短編を3つ製作しており、この作品はその1作目である。原題のとおり、この作品ではキャブが1931年に録音し大ヒットとなったブルース『ミニー・ザ・ムーチャー』をバックに数々の怪奇的なギャグが展開される。
作画者としてクレジットされているのはウィラード・ボウスキーとラルフ・サマーヴィルだが、名シーンとして名高いセイウチが踊る場面はバーナード・ウルフが作画を担当したらしい。

まず、冒頭でキャブ・キャロウェイと彼の楽団、そしてクレジットが実写で映し出される。この実写映像がまた格別で、キャブがあのくねくね踊りを披露するのだ。
夕食を食べないので両親から叱られるベティ。ベティを叱る父親の顔がシリンダー式蓄音機に変化するというギャグ(時代遅れの暗喩?)が挟まれ、両親の冷たさに嫌気が差したベティは家出をすることに決める。ビン坊と共に家を出るベティだったが、町を歩いていると次第に辺りは陰気臭くなり、恐怖に怯える二人は急いで洞窟へと逃げ込む。
すると現れたのは巨大なセイウチの幽霊!セイウチは「ミニー・ザ・ムーチャー」を歌いながら不気味な踊りを披露する。この踊りはキャブの動きをロトスコープを用いてトレースしており、キャブの魅惑的で怪しげな雰囲気を見事に再現している。セイウチ(キャブ)の「ハイディホー」に合いの手を入れるのは、骸骨、猫や囚人の幽霊など恐ろしい魑魅魍魎たち。この奇妙な連中が繰り広げる怪奇ギャグが実に不気味で、面白いのだ。
「ミニー・ザ・ムーチャー」が終わるとBGMは陽気な「タイガー・ラグ」へと変化し、洞窟から逃げ出したビン坊とベティを幽霊たちが執拗に追いかける。最後にはベティ、ビン坊共々家に逃げ帰ってしまい(ビン坊が犬小屋に入るのが可笑しい)、ベティがベッドに潜るとベッドの上に置いてあった書き置きが破れ「Home Sweet Home」になるという素敵なオチで物語は締めくくられる。

「キネマ旬報」昭和7年6月21日号より
ストーリー性は薄く、内容も「ミニー・ザ・ムーチャー」に乗せて怪奇趣味の数々を繰り広げる事に終始している。スウィング感も「お化オン・パレード(Swing You Sinners!)」や後の「ベティの山男退治(The Old Man of the Mountain)」に比べると少し物足りなく、「魔法の鏡(Snow-White)」ほど突き抜けたシュールさはない。
当時のキネマ旬報でも、本作品はなぜか『小唄漫画』(Screen Songs)の一作品として紹介されてしまっている。当時のこの作品が一種のミュージック・ビデオとして認識されていた証拠であろう。

しかし、ロトスコープを用いて作画されたセイウチの踊りや幽霊が繰り広げる不気味なギャグの悪趣味さとグルーヴ感は何物にも代えがたく、この作品を傑作たる所以にしている。ロトスコープを用いることでキャブの踊りを忠実に、そして滑らかに再現する事に成功しているが、その滑らかさには一種の不気味さや生気の無さがある。この作品ではそんな不気味さが作品の魅力そのものに昇華しているのだ。これはロトスコープが作品の魅力の減退に繋がってしまった「ガリバー旅行記(Gulliver's Travels)」(1939)とは対照的である。
キャブの毒を交えたブルースとフライシャーのオフビートな作風の相性が極めて良かったからこそ誕生した、奇跡の傑作と言えるだろう。
ちなみにこの作品が公開される僅か6日前には、同じくキャブの持ち歌であり「ミニー・ザ・ムーチャー」のアンサーソングでもある「Kickin' The Gong Around」をフィーチャーした短編『Fly Frolic』がヴァン・ビューレン・スタジオにより公開されている。両作品を見比べてみるのも一興ではないだろうか。




(言わずと知れた名ブルース「Minnie the Moocher」のオリジナル録音)

※収録DVD:Betty Boop: The Essential Collection Vol.3

2018年10月29日月曜日

Felix the Ghost Breaker(フィリックスのオバケ騒動)

監督:オットー・メスマー
公開日:1923年1月1日
評価:★8

「幽霊は君を求めている」


シリーズがいよいよ大衆からの支持を獲得し、作品の質も向上し始める1923年に製作された作品。

フィリックスが墓場で寝ていると、うなり声と共に突然幽霊が現れる。幽霊にいたずらされて怒ったフィリックスは、幽霊の行く先を追う。すると幽霊はある農夫の家へと忍び込み、彼や彼の家畜を散々に苦しめているのだからさあ大変。農夫は警察に助けを求めるが、さすがの警察も幽霊には歯が立たない。
そこで今度はフィリックスが幽霊退治を試みる。散々に痛めつけられてしまうフィリックスだったが、機転を利かせて幽霊を追い詰めてみるとその正体はなんと不動産屋。恐怖につけこんで農夫に家を売らせようとしていたのだ。農夫が飼っているロバが彼を遠くへ突き飛ばし、物語は終わりを迎える。

フィリックスのデザインは依然としてリアルな黒猫に近く、彼らしいパーソナリティーを得るまでには至っていない。キャラクターのパントマイムを中心とした作画もまだこなれておらず、堅い印象を受ける。作画やデザインの面でフィリックスに変化が見られるようになるのは、メスマーのアシスタントだったビル・ノーランが『ラバーホース・スタイル』と呼ばれる独特の作画スタイルを確立する1924年頃からである。
しかし、どこか毒のあるユーモアや前衛的な怪奇描写など、後の作品に繋がる要素がこの作品からは多々見受けられる。特に、フィリックスが幽霊に襲われるシーンの魅力は現在でも全く色褪せていない。
メスマーはハイコントラストな画面作りの名手であり、フィリックス終了後(1937年以降)も30年以上に亘りネオンサイン用の影絵調アニメーションを多数制作していたという。[参考] 本作でもその手腕が存分に発揮されたといえるだろう。
例によって背景や人物は全て単色で描かれているが、この作品ではそれが一種の様式美を生み出しており、作品全体に漂う恐ろしい雰囲気を演出する事に成功している。
独特の怪奇描写が素晴らしい、メスマー版フィリックス中期の傑作である。



収録DVD:フィリックス Felix the Cat DVD BOX (DVD2枚組)

2018年10月25日木曜日

The Headless Horseman

監督:アブ・アイワークス
公開日:1934年10月1日
評価点:★6

アブ・アイワークス版『スリーピー・ホロウの伝説』


MGMとの配給契約が切れ、スタジオの親会社であるセレブリティ・プロダクション自身によって配給されたアイワークス・スタジオの「コミカラー」シリーズ。本作は1933年から1936年にかけて全25本が製作されたうちの第7作目である。
原作は、アメリカではハロウィンの時期になるとよく語られるという「スリーピー・ホロウの伝説」。ディズニーも1949年にオムニバス形式の長編アニメ「イカボードとトード氏」の1パートとしてこの物語をアニメ化しているが、本作の公開年は1934年。ディズニーに先駆けること約15年である。

のどかな村スリーピー・ホロウに住む美しい女性カトリーナ・ヴァン・タスル。大柄な若者ブロム・ボーンズと気の優しい教師イカボード・クレインの2人は彼女に恋心を寄せていた。
ある日の学校では、イカボードが「首なし騎士の伝説」という恐ろしい本を読んでいた。そんな時、彼はカトリーナからパーティーに誘われる。おめかしをしてカトリーナの家へと赴くが、そこには忌々しきライバル・ブロムの姿が。パーティーが始まると、2人はなんとかしてカトリーナの気を引かせようと様々な手をつかって彼女にアプローチするのだが、なかなか決着がつかない。そこでブロムは帰路でイカボードが怖がっていた「首なし騎士」に仮装し、彼を脅かす事にする。ブロムの企みは成功し、イカボードは一目散にどこか遠くへと逃げていった。
そうしてブロムとカトリーナの結婚式が行われたのだが…そこに現れたのは首なし騎士。ブロムもカトリーナも式場から逃げ出してしまうが、首なし騎士の正体はなんとイカボードだったのだ。

本作の最大の見どころは、アブ自身が自動車の部品で作り上げたという独自のマルチプレーン・カメラを撮影に導入している点が挙げられる。特にタイトルカードを始めとする幾つかのカットで登場する、首なし騎士が馬に乗って駆けていく動画の迫力は目を見張るものがある。イカボードの机を回り込むカットなど、他にもマルチプレーン・カメラが使用されているシーンが幾つかあり、そのどれもが抜群な効果を上げているのが素晴らしい。
ただキャラクターデザインに関しては若干粗雑な部分が目立ち、カトリーナは美女というよりもぽっちゃりとしたベティ・ブープである。イカボードは初期のフライシャー作品に登場する爺さんを彷彿とさせるデザインだ。(当時のスタジオには元々フライシャーに在籍していた作画スタッフが多数在籍していたので、仕方ない事ではあるのだが…)
アイワークス作品のご多分に漏れず、ストーリーやギャグの面でもイマイチ感は否めない。特に中盤はありきたりな演出尽くしで中だるみしてしまっているのが残念。
とはいえ個々のカットの完成度やアニメーションの出来自体は素晴らしく、玉石混合の「コミカラー」の中ではなかなか出来の良い部類に入る佳作といえるだろう。

2018年10月22日月曜日

Betty Boop's Hallowe'en Party(ベティのキングコング退治)

監督:デイヴ・フライシャー
公開日:1933年11月3日
評価:★5

ハロウィンパーティーでゴリラが大騒ぎ


『ベティ・ブープ』第22作。タイトルの通り、ハロウィンパーティーを舞台にしたお話である。公開日も11月3日、まさに季節ネタの作品だ。
この年の3月にかの名作映画『キングコング』が公開、大ヒットしているため、この作品もそうしたキング・コング・ブームにあやかった作品だろうと筒井康隆氏は『ベティ・ブープ伝』で推測しているのだが、それにしてはコング役に相当するゴリラが小さすぎるような気がしないでもない。邦題は言うまでもなく露骨にキングコングにあやかったタイトルなのだが…。

ある寒い夜、ベティからハロウィン・パーティーの招待状を受け取ったかかしがベティの家を訪れる。かかしとベティはパーティーの準備で大忙し。準備が終わり戸を開けると、動物たちが窓から入ってくる。ベティが「Let's All Sing Like the Birdies Sing」という童謡(?)を歌い終わると、楽しいハロウィン・パーティーの幕開けである。
動物たちがパーティーを楽しんでいるその時、キングコングを彷彿とさせる悪漢ゴリラがパーティーに乱入してくる。ゴリラはベティを捕まえようとするが、ベティが電気を消すと途端にオバケや壁に描かれた魔女がゴリラを襲い始める。
ゴリラはあまりの恐ろしさにベティの家から逃げ出し、ベティはオバケと一緒に「ププッピドゥ」を唱えるのだった。

パーティーが始まるまでの前半部分はなかなかナンセンスで面白いのだが、パーティーが始まってからの後半部分はやけに幼稚なギャグが目立ち失速してしまうのが惜しい。作画もあまり良いとはいえない。
せっかくハロウィンが作品の主題なので、ホラー演出やオバケネタと相性がいい「ベティ・ブープ」なら工夫次第ではもっと良い作品になれたのではないだろうか。作画チーフの一人であるウィラード・ボウスキーはあの怪奇カートゥーンの傑作『お化オン・パレード(Swing You Sinners)』 や『ベティの家出(Minnie the Moocher)』の作画を担当した人物でもあるので、尚更そう思うのである。
物語前半で頻発するナンセンスなギャグや快調なBGMなど楽しめない事はないのだが、色々と消化不良に終わってしまった惜しい作品といえる。



※収録DVD:Betty Boop: The Essential Collection, Vol.1

2018年10月18日木曜日

The Cookie Carnival(クッキーのカーニバル)

監督:ベン・シャープスティーン
公開日:1935年6月29日
評価点:★8

まさに「お菓子」のような甘い魅力を持つ傑作


シリー・シンフォニー第53作。公開年は1935年、この年には他に『うさぎとかめ(The Tortoise and the Hare)』『音楽の国(Music Land)』『誰がコック・ロビンを殺したの?(Who Killed Cock Robin?)』といった傑作群が立て続けに発表された。1930年代のカートゥーンを代表するこのシリーズも、30年代中期に差し掛かりまさに円熟の域に入っていたと言える。
さて、この作品はタイトル通り「お菓子の国」を舞台にした作品で、登場人物たちも皆クッキーなどのお菓子を擬人化したキャラクターとなっている。背景美術もお菓子がモチーフとなっており、同時期のシリー・シンフォニー作品の中でも異彩を放っているといえるだろう。

お菓子の国では、今日は楽しいカーニバルの日。カーニバルでは、一番美しい女を女王にするためのコンテストが開かれていた。そんな賑やかなカーニバルをよそに、綺麗な服を持っていないためにコンテストに出られないと嘆くクッキーの女の子。たまたま女の子の近くを通りかかった浮浪者のクッキーは、お菓子を使って女の子を美しい女性に仕立て上げてやるのだった。
さて、めでたく彼女はコンテストに出場。圧倒的な美貌により見事優勝し、女王に選ばれる。女王が決まったのなら王様も決めねば、という事で今度は王様のコンテストが開かれる。天使のケーキや悪魔のケーキなどたくさんの候補者が集まるが、女王はどれもお気に召さない様子。(この時の女王の表情が実にカワイイのだ)
それならと審査員自らが王様に立候補するが、そこへ現れたのが浮浪者のクッキー!女王は「王様に何をするの」と叫び(浮浪者クッキーの帽子は、守衛に殴られた時王冠のように割れていたのだ)、浮浪者のクッキーは王様に選ばれる。

王様が選ばれたことでパレードの盛り上がりは最高潮に達し、二人は熱いキスを交わすのだった。

さて、この作品ではアイワークス・スタジオから移籍してきたばかりのグリム・ナトウィック、テリー・トゥーンから移籍してきたばかりのビル・タイトラという二人の敏腕アニメーターが作画に大きく携わっているという点でも興味深い。
ナトウィックは浮浪者クッキーが女の子を美しい女王に仕立て上げるシーン、タイトラは天使のケーキと悪魔のケーキがダンスをするシーンをそれぞれ担当しているが、いずれのシーンもこの作品の中で特に印象深い場面である。
特にナトウィックが担当したドレスアップのシーンは、アニメ史に残る名場面といえるのではないだろうか。ベティ・ブープの生みの親であり後に白雪姫の作画にも携わる彼がアニメ―トした女の子の美しさ、可愛さ、色気は全く並大抵ではない。
フライシャー時代の荒っぽさがまだまだ残っており洗練されたアニメーションとは言い難いが、独特の野暮ったい作画の癖にまで一種の愛らしさを覚えるのである。
往年のチャップリンを彷彿とさせる浮浪者クッキーも、なかなか味わい深いキャラクターで好印象だ。(声はディズニー御用達であるピント・コルヴィッグが好演している)
まさにお菓子のような甘い魅力を持つ、素敵な作品である。



※収録DVD:シリー・シンフォニー 限定保存版 (初回限定) [DVD]

2018年9月29日土曜日

Hunky and Spunky(スパンキー登場)

監督:デイヴ・フライシャー
公開日:1938年6月24日
評価:★4

『わんぱくスパンキー』第一作


『カラー・クラシック』第24作。スタジオをニューヨークからマイアミに移籍したフライシャー兄弟が開始したミニシリーズ、『わんぱくスパンキー』の第一作でもある。
このシリーズは良くも悪くもマイアミ時代のフライシャー・スタジオ、そして後期の『カラー・クラシック』を象徴するシリーズとなっている。
まず、このシリーズは全体としてディズニー作品の影響が色濃い。そしてアニメーションはそれまでの作品と比べて格段に洗練されてはいるものの、ストーリーはとにかく甘ったるくて平凡なのだ。ギャグや毒っ気も皆無に等しい。
シリーズ第一作であるこの作品も、作画や美術こそ素晴らしいが物語が退屈という、どうも惜しい作品に仕上がってしまった。
この作品の作画はマイロン・ウォルドマンとグラハム・プレイス。1930年代後半以降のスタジオを牽引したアニメーターだ。

子ロバのスパンキーは、お母さんのハンキーに蹴り方や鳴き方を教えてもらう。ウサギと仲良くなったスパンキーは、お母さんが休んでいる間にウサギと一緒に遊びまわる。
そんな時、人間が油断していたスパンキーを罠で捕まえてしまったのだからさあ大変。ハンキーは急いで息子のもとへ駆けつけ、人間をコテンパンにやっつけてしまう。
これにて一件落着。二匹はまた、長い長い旅を仲良く続けるのだった。

冒頭のステレオプティカル・プロセスを用いた美麗な背景と、ラストの夜空の幻想的な色使いが目を引く作品である。作画は水準レベルを維持しており、細密な背景美術も良い。ただ見るべきところが殆どそれだけなのがなんとも惜しいところだ。
ところがこの作品は大衆の心を掴んだようで、1938年度のアカデミー短編アニメ賞にノミネートされている。(1930年代前半には一回もノミネートされていないというのが、また哀愁を誘う。フライシャー兄弟とテックス・アヴェリーは賞レースに無縁なのだ)



※収録DVD:Max Fleischer's Color Classics: Somewhere in Dreamland

2018年9月18日火曜日

Hot Dog(ハッドッグ)

監督:デイヴ・フライシャー
公開日:1930年3月29日
評価:★7


フライシャーの転換点


『トーカートゥーン』第4作。この作品は、様々な意味でフライシャー・スタジオのターニングポイントとなった記念すべき快作である。「従来の作品との違い」は主に三つ挙げられる。
第一に、フライシャー作品としては初めて全編にセル画が用いられ、濃淡豊かな背景が使用できるようになった。第二に、トーキー初期のフライシャーを代表するキャラクターのビン坊が初登場した。第三に、音楽監督としてルー・フライシャーが参入し、従来よりもはるかに高い完成度で音楽とアニメーションの融合に成功したのである。

車を走らせるビン坊が、街中の女性を次々にナンパする。ナンパの途中で道路を壊してしまったビン坊は警察に捕まってしまい、『ジョニーが凱旋するとき』のメロディーと共に裁判所へと連行されてしまう。
無実を訴えるビン坊はおもむろにバンジョーを取り出し、『セントルイス・ブルース』を歌いだす。堅苦しい雰囲気だった裁判所もいつの間にかノリノリに。ビン坊はバンジョーを一輪車に見立ててそのまま裁判所を逃げ出すのだった。

アニメーターはノンクレジットだが、後にチャールズ・ミンツのスタジオへ移籍するシド・マーカスと1930年当時のスタジオを代表するアニメーターであるグリム・ナトウィックが幾つかのシーンを担当したと思われる。[参考]
特にシド・マーカスが担当したという「セントルイス・ブルース」のシーンは従来のフライシャー作品とは一線を画すクオリティーである。というのも、スキャットの口の動きやバンジョーをかき鳴らす手の動き、音楽にノる無機物たちの動き、全てが完璧に音楽と同期しているのだ。
トーキー初期におけるフライシャーの見どころといえば絶妙な「スウィング感」、つまりジャズとアニメーションの見事な融合が挙げられるのだが、この作品で初めてそれが本格的に実現したのである。
これには恐らく今作よりスタジオの作品に関わる事となったルー・フライシャーの存在が大きく影響していると思われる。ルーはマックス&デイヴの兄弟で、1942年までスタジオの音楽監督として作品に関わってきた。(彼はポパイのウィンピーの声も一部作品で担当している)

この作品は1931年頃に日本でも公開されたようだ。初期のベティ作品と同じく、観客たちを大層楽しませたことだろう。




(劇中で使用された「セントルイス・ブルース」の録音)

2018年9月14日金曜日

Bold King Cole(勇敢な王様)

監督:バート・ジレット
公開日:1936年5月29日
評価:★6

ヴァン・ビューレン最後のフィリックス


ディズニー出身のアニメーター、バート・ジレットがヴァン・ビューレン・スタジオに移籍して手掛けたシリーズ『レインボー・パレード』。本作は、サイレント時代に絶大な人気を誇ったキャラクター『フィリックス』を主人公とした三部作の最終作である。
この作品が公開された後、フィリックスが主人公のアニメーション作品は1958年のテレビアニメ「とびだせフィリックス」まで製作されなくなる。フィリックスがアニメスターの座を離れている間、原作者のオットー・メスマーは一時期(1944-47年頃)かつて最大のライバルだったフライシャー・スタジオの後身であるフェイマス・スタジオで働いていたというのだから面白い。
本作の監督はバート・ジレット単独。後に彼がディズニー復帰後に監督した『ミッキーのお化け退治(Lonesome Ghosts)』(1937)を彷彿とさせる作品に仕上がっている。

木の上で楽しく歌を歌っていたフィリックスだったが、突然の嵐に見舞われお城に逃げ込む。その城の主は大ぼら吹きで臆病な王様だった。実はお城には幽霊がたくさん棲み付いており、おしゃべりで嘘つきな王様を凝らしめようと大暴れしてしまう。
フィリックスは雷を使って幽霊を撃退、喜んだ王様はフィリックスを王子にしてやるのだった。

本作も、前2作と同様にデザインや美術設定に関しては非常に洗練されており申し分ない出来である。特に嵐や幽霊といったホラー描写は良く表現できており、甘ったるい描写が目立つ「レインボー・パレード」としては出色の出来栄えといえる。
またウィンストン・シャープルズの音楽も素晴らしく、挿入歌の「Nature and Me」をはじめとするキャッチーな歌や軽快なBGMが作品の魅力を際立たせている。この作品に限らず、ヴァン・ビューレンの作品はとにかく音楽が良いのだ。
ただ、刺激的なユーモアや機知に富んだアイデアが乏しく、全体として平坦な作りになっているのが非常に残念。(これも残念なことにヴァン・ビューレン作品全体に言えることなのだが…)
前2作での最大の問題点だった「フィリックスの性格」も依然として改善しておらず、サイレント時代のブラックさは影を潜めて『勇敢な少年』になっているのも惜しい。

この作品が公開されてから5か月後の1936年10月、配給元だったRKOがディズニー作品の配給を始めた事をきっかけにヴァン・ビューレン・スタジオはアニメーション作品の製作を休止してしまう。そしてさらに2年後の1938年11月12日、ヴァン・ビューレン自身も心臓発作でその生涯を終えるのであった。



収録DVD:フィリックス Felix the Cat DVD BOX (DVD2枚組)

2018年9月5日水曜日

Neptune Nonsense(フィリックスと海の神様)

監督:バート・ジレット&トム・パーマー
公開日:1936年3月20日
評価:★7

フィリックスが海底で大冒険


ディズニー出身のアニメーター、バート・ジレットがヴァン・ビューレン・スタジオに移籍して手掛けたシリーズ『レインボー・パレード』。本作は、サイレント時代に絶大な人気を誇ったキャラクター『フィリックス』を主人公とした三部作の二作目である。
監督は前作と同じくバート・ジレットとトム・パーマー。二人ともディズニー出身のアニメーターなだけあって、本作も前作同様ミッキーマウスの短編を彷彿とさせる作品に仕上がっている。

フィリックスが飼っている金魚は、なぜか寂しそう。そこで金魚の友達を見つけてあげることにしたフィリックスは、さっそく釣りに出かける。ところが大きな魚に引っ張られて海底の世界へと真っ逆さまに落ちてしまったフィリックスは、そこで金魚の友達を探す事にした。ところが彼を誘拐犯だと勘違いした魚たちによってフィリックスは捕らえられてしまう。
海の神様と面会したフィリックスが事情を話すと、神様はフィリックスを孤児施設へと連れていった。神様は身よりのない金魚を一匹フィリックスにプレゼントする事にしたのだ。喜ぶ自分の金魚を見て、フィリックスも幸せそうな笑顔を浮かべるのだった。

前作と同様、作画面でのクオリティは従来のヴァン・ビューレン作品に比べて出色の出来である。また美術も素晴らしく、海底の幻想的な世界観を上手く演出している。ギャグこそ少ないが魅力的なアイデアは多く、特に海底に棲む魚たちのシークエンスはかなり快調といえるだろう。
問題としてはストーリーが余りにもありきたりすぎる、フィリックスの性格が良い子すぎるなどという点が挙げられるが、これは素晴らしい美術設定のおかげであまり気にならない。
全体を通して、「Sunshine Makers」(1935)と並ぶ「レインボー・パレード」の最高傑作といっても差し支えない快作といえるだろう。



収録DVD:フィリックス Felix the Cat DVD BOX (DVD2枚組)

2018年8月27日月曜日

The Goose That Laid the Golden Egg(フィリックスと金のガチョウ)

監督:バート・ジレット&トム・パーマー
公開日:1936年2月7日
評価:★6

テクニカラーで蘇ったフィリックス


『三匹の子ぶた』を始めとする、数々の名作を演出したディズニーの名匠バート・ジレットがヴァン・ビューレン・スタジオに移籍して手掛けたシリーズ『レインボー・パレード』。本作は、サイレント時代に絶大な人気を誇ったキャラクター『フィリックス』を主人公とした三部作の一作目。1930年以降新作が作られていなかったフィリックスだが、6年の時を経てテクニカラーで蘇ったのである。
とはいっても、オリジナル版のクリエイターであるオットー・メスマーとパット・サリヴァン(1933年没)は製作に関わっていない。本作はバート・ジレットと、彼と同じくディズニー出身であるトム・パーマーの共同監督作なのだ。

金の卵を産むガチョウと共に、貧しい人々にお金を分け与えるフィリックス。ところが海賊団の船長であるキャプテン・キッドがフィリックスの家に侵入し、ガチョウを奪ってしまったのだからさあ大変。フィリックスは大砲を使って、彼が舵を取る海賊船へと乗り込むのだった。
海賊船に到着したフィリックスは海賊との激しい戦いの末、見事勝利する。そして海賊が今まで盗んできた財宝を街の貧しい人々に分け与えたフィリックスは、英雄として祝福されるのだった。

作画は(ヴァン・ビューレンスタジオの作品にしては)良好であり、演出やデザインの面でも以前の作品より非常に洗練された印象を受ける。ウィンストン・シャープルズによる音楽も良い。1936年という公開時期、そして予算やヒット作に恵まれなかったスタジオの性質を考えると、出色の作品と言えるだろう。
ただこの作品―これは他の『レインボー・パレード』にも言えることなのだが―ストーリーが甘すぎるのだ。ユーモアが少なく、あまりにも王道すぎるのである。
フィリックスはサイレント時代に持っていたいたずら好きで小市民的な性格を捨て、正義感溢れる勇敢な少年に変貌してしまった。ミッキーマウスを演出したバート・ジレットが監督したのだから、ある意味当然なのかもしれないが…。
唯一楽しめるギャグは、フィリックスが自分を砲丸に見立て、大砲を使って海賊船へ飛んでいくというネタだろうか。アニメーション史研究家のレナード・マルティン氏も、このシーンを称賛している。



収録DVD:フィリックス Felix the Cat DVD BOX (DVD2枚組)

2018年8月6日月曜日

Reducing Creme

監督:アブ・アイワークス
公開日:1934年5月19日
評価点:★7

コミカルな動きがとにかく楽しい一作


『カエルのフリップ』に次ぎアイワークス・スタジオが製作した『ウィリー・ホッパー』第9作。作画は『Talkartoon』時代のフライシャーで頭角を現したグリム・ナトウィック、バーナード・ウルフの二人。この二人はフライシャー時代に培ったニューヨーク流の軽快な作画スタイルが特徴だったのだが、本作でもそんな魅力が遺憾なく発揮されている。

『痩せクリーム』をマリーに勧められたウィリー。彼はクリームにまつわる災難の話を始める。ある日、ウィリーはネズミをいじめている猫に気付かず猫のシッポを踏んづけてしまう。怒った猫はウィリーに『痩せクリーム』をかけてしまう。すると、みるみるうちにウィリーの体は縮まっていき、ネズミ程の大きさになってしまった。猫に散々にあしらわれてしまうウィリーだったが、なんとか逃げ出し厨房へたどり着く。
厨房では、男がパンを作りながら太った女とイチャイチャ。ウィリーは後を追って来た猫から必死に逃げるが、太った女の服の中にすっぽりと入ってしまう。猫はパン作りの男の服の中に入ってしまい、男と女の2人は軽快なダンスを踊り始める。
服の中から逃げ出した猫とウィリーは、またまた追いかけっこ。そんな時ウィリーは床に落ちていたイースト菌のブロックを発見、食べてみるとみるみるうちに体が膨らんで元の大きさに戻ってしまった。ウィリーはここぞとばかりに、今度は猫に痩せクリームをかけてやると、猫はネズミと同じ大きさになってしまい、それを見て喜んだネズミは仕返しに猫の目を殴りつけるのだった。

内容自体はよくあるドタバタギャグなのだが、特筆すべきなのは作画である。
この時期のアイワークス・スタジオにはナトウィックやバーナードを始めとするフライシャーから移籍したスタッフが多数在籍しており、代表者であるアブの作風にフライシャー組の都会的なエッセンスが加わったことで、作品は独特の雰囲気を放っていた。
シュールなキャラクター造形、無軌道でドタバタしたストーリー展開、そして時に粗削りだがいつも軽快な作画、活気に満ちた音楽。これらが当時のスタジオの特徴だった。
この作品では、太った女とパン作りの男がダンスを踊るシーンがフィーチャーされる。このシーンにおけるキャラクターの動きが、まぁ格別なのだ。軽快で、リズミカルで、とにかく愉快!
『カエルのフリップ』や『コミカラー』でもダンスシーンは散見されるのだが、こうしたダンスシーンはまさしくフライシャー的でとても楽しい。
それ以外のシーンでも、ウィリーが縮む時の演出など、このシリーズの中ではトップクラスと言って良いほどの良質な作画や演出が目白押しである。一見の価値があるだろう。



※収録DVD:Ub Iwerks' Willie Whopper

2018年7月20日金曜日

Mask-a-Raid(ベティの仮装舞踏会)

監督:デイヴ・フライシャー
公開日:1931年11月14日
評価:★8

シュールなギャグが次から次へと飛び出す傑作


『トーカートゥーン』第28作であり、シリーズ中で初めてベティ・ブープが完全な人間として登場した作品である。(今までは長い耳だったものがイヤリングになっている)
更にベティのデザイン変更と併せて、今まではあくまでもビン坊が主演だったのが今作を以ってベティ・ブープが主演となり(タイトル上部に大きく「Betty Boop in」と出る)、ビン坊は脇役に甘んじる事となる。
そんなシリーズの転機点となった本作品だが、これがなかなかの傑作に仕上がっている。

仮面舞踏会にやって来たベティは女王の座につくのだが、王様にちょっかいをかけられ憤慨する。そこへ先程まで楽団の指揮をしていたビン坊が仮面を持って現れ、王様と軽妙な歌のやり取りをする。(歌っているのは「Where Do You Work-a, John? 」というノヴェルティ・ソング) 仮面が王様の相手をしている間にビン坊はベティとふたりで会場を行進。奇妙な舞踏会の参加者たちも音楽に乗せてノリノリで行進する。
歌が終わると王様とビン坊がベティの奪い合いを始める。ここでベティのスカートがまくれ上がるという下品なギャグが挟まれるのだが、こういった露骨なギャグはヘイズ規制前である当時ならではと言えるだろう。
今度はベティが『You're the One I Care For』というロマンチックな歌を歌い始め、2人に決闘するようお願いする。
ビン坊チームと王様チームの二軍に分かれて剣術試合が始まり、またも音楽に合わせてノリノリで剣を振りかざす。この辺りのギャグのテンポの良さとシュール加減は素晴らしい。
激闘(?)の末にビン坊が負けてしまい牢屋行きとなるが、ビン坊を監獄へ連れていく騎士が兜を外すと実はベティ。ベティに「結婚してくれない?」と言われたビン坊は歓喜のあまりフライシャー十八番のスキャットを歌い始め、最後は目の中に「THAT'S ALL!」という文字が出て終了する。

この時期のフライシャー作品を文章で解説するなんて不可能かもしれない。なんてったってあのシュールな面白さは粗筋では決して味わえないのだ。とにかくキャラクターがノリに乗って無駄に動きまくる。本作品では「フライシャーあるある」な繰り返しの動作も少なく、常にキャラがくねくねと動き回るのだから最高だ。
何よりラストのスキャットの素晴らしさ。目がダンスをし、文字に変わるというシュールなギャグもさることながら、あの絶妙なトリップ感覚は格別である。
作画者は不明だが、シェーマス・カルへインとアル・ユーグスター辺りではないかと私は勝手に推測している。(デザインや動きの癖がそれっぽいような気がする)
ちなみに登場する王様は、「ベティの将棋合戦(Chess-Nuts)」に登場した爺さんと同一人物である。ベティの事を一方的に好いており、ちょっかいを出すという役柄まで同じ。この頃のベティはよく貞操を狙われる。




(作中で歌われる挿入歌「Where Do You Work-a, John? 」)

2018年6月29日金曜日

Hold It(猫じゃ猫じゃ)

監督:デイヴ・フライシャー
公開日:1938年4月29日
評価:★8

『猫が叫ぶと世界が止まる』


『カラー・クラシック』第23作。公開前月に、フライシャー・スタジオはスタジオ初の長編作品『ガリバー旅行記(Gulliver's Travels)』の製作に向けて本拠地をニューヨークからフロリダ州マイアミに移している。
この作品はスタジオがマイアミに移転してから初となる『カラー・クラシック』だが、ニューヨーク的なノリがまだまだ健在、なかなかの傑作に仕上がっている。
作画はデヴィッド・テンドラー、後身のフェイマス・スタジオでも20年以上に亘って作画に携わるニコラス・タフリ。両者とも後期フライシャー・スタジオ、そしてフェイマス・スタジオを代表する存在である。

真夜中に家から追い出されてしまった猫たちが裏庭に集まり、楽しくジャズに興じる。指揮を執る黒猫が『Everybody Hold!(止まれ!)』と叫ぶと、不思議なことに音楽も、猫も、木から落ちるリンゴも、何もかもが止まってしまう。
猫たちはこの騒ぎで目を覚ましてしまった犬に追いかけられるが、『止まれ!』の合図を猫たちが叫ぶと犬も止まる。これを利用して猫たちは犬を散々にやっつける。後年のテックス・エイヴリーを連想させるこの格闘シーンはギャグのタイミングもアイデアも素晴らしく、この作品が傑作たる所以である。
終いにはこてんぱんにやられてしまった犬を横目に、猫たちは勝利の歌を高らかに歌うのだった…が、今度は目を覚ました人間にやっつけられてしまうのだった。

猫が奏でるコーラスや軽快な劇伴音楽も楽しい本作だが、見どころはやはり『猫が叫ぶと周りにある物が全て止まる』という素晴らしくバカげた、そして魅力的なアイデアだろう。『インク壺』以来、何度も用いられてきた楽屋オチ的ギャグの一環でもある。中でもダイナマイトを加えさせた所で犬を停止させ、ダイナマイトの口火だけが動いて大爆発を起こすというギャグの、その痛快さ。
チャカチャカ動くアニメーションは、30年代終盤にしては少々古臭い。だが、冒頭のステレオプティカル・プロセスを用いたシーンの美しさは格別で、ギャグに満ちたこの作品の良きスパイスとなっている。『シリー・シンフォニー』の亜流じみた作品が目立つこのシリーズの中で、こうしたギャグ物の傑作が生まれたのは驚くべき事である。恐らくシリーズ唯一とも言えるのではないだろうか。
アニメーション研究家の森卓也氏も、名著『アニメーション入門』でこの作品を取り上げ、称賛されている。



※収録DVD:Max Fleischer's Color Classics: Somewhere in Dreamland

2018年6月27日水曜日

Dancing on the Moon(月へハネムーン)

監督:デイヴ・フライシャー
公開日:1935年7月12日
評価:★7

新婚旅行は月で!ユニークなアイデアが魅力的な作品


『カラー・クラシック』第6作。当時ディズニーが三色式テクニカラーを独占していたため、本作は発色が劣る二色式テクニカラーで撮影されている。とはいえ、この作品はかなり状態の良いプリントが現存しており、三色法にも劣らない鮮やかな色彩が楽しめる。
作画は、後にフェイマス・スタジオの代表的な演出家となるシーモア・ネイテルと、『ベティの白雪姫(Snow White)』を始めとする多くのフライシャー作品に携わったローランド・クランドル。2人は当時フライシャー・スタジオのヘッドアニメーターで、ウィラード・ボウスキーやマイロン・ウォルドマンらと共に30年代のスタジオを代表する存在であった。

『月(ムーン)でハネムーンを』と、新婚夫婦たちが主題歌の『Dancing on the Moon』を歌いながら次々と月行きの宇宙船に乗り込んでいく。遅刻してしまった猫の夫婦も慌てて宇宙船に乗ろうとするが、むりやり乗り込もうとしたところでロケットが発車してしまった。宇宙船から振り落とされてしまった花嫁は激怒、宇宙船に取り残されてしまった花婿は一人寂しくトランプなどをして過ごすのだった。
宇宙船は宇宙空間をどんどん突き進んでいき、あっという間に目的地の月に到着。そこでは、見渡す限りの壮大な月世界風景が広がっていた。カップルたちは月世界での甘いひと時を楽しんでいたが、猫の花婿だけは一人悲しそうに座り込んでいるのだった。新婚夫婦たちがダンスを嗜んでいる時も、猫の花婿は寂しく一人で踊る他はなかった。
ダンスの時間が終わると、宇宙船は地球へと舞い戻る。ハネムーンには赤ちゃんが付き物、コウノトリが地球に帰ってきた夫婦たちへ子供をプレゼントするのだった。
ところが花嫁を連れて行けなかった猫の花婿のもとには子供が訪れず、彼は途方に暮れてしまう。そして、花婿の帰りを待っていた花嫁が駆け寄ってきて、哀れな花婿をぼこぼこに殴り倒してしまうのだった。

少々猫の花婿が不憫すぎる気はするが、『カラー・クラシック』にしては珍しく作品全体にユーモアに満ちており、楽しい一編である。何より、『ハネムーン』を文字通り『月旅行』に仕立て上げるという、フライシャーらしいユニークなアイデアには感嘆するばかりだ。また、『天の川(Milky Way)』で牛が乳を絞られていたり、月がまるであの『月世界旅行』のような姿になるなど、シニカルなギャグも随所に散りばめられており、こちらも面白い。
本作でも立体模型を用いたセットバック撮影(ステレオプティカル・プロセス)が採用されており、作品に素晴らしい遠近感を与えている。新婚夫婦たちがダンスを踊るシーンでの月世界の風景は特に魅力的で、この撮影技法の良さが最大限に発揮されたといえるだろう。
アニメート技術は、30年代中期のフライシャーとしては水準程度。いかにも『1930年代のカートゥーン』な動物キャラたちが、かわいく動き回るのが楽しい。



※収録DVD:Max Fleischer's Color Classics: Somewhere in Dreamland

2018年6月23日土曜日

Little Dutch Mill(丘の風車小屋)

監督:デイヴ・フライシャー
公開日:1934年10月26日
評価:★6

オランダの風車小屋にまつわる、ある騒動を描く


フライシャー・スタジオがディズニーの「シリー・シンフォニー」に対抗して1934年に開始したシリーズ『カラー・クラシック』の第二作。当時ディズニーが三色式テクニカラーを独占していたため、独占契約が切れた1936年度までの作品は発色が劣る二色式テクニカラーで撮影されており、この作品もその中の一作である。(第一作の『ベティのシンデレラ(Poor Cinderella)』のみシネカラー)
作画は30年代の同スタジオを代表する作画スタッフのウィラード・ボウスキーと、後に多くのカラー・クラシックの作画を担当するデヴィッド・テンドラー。汚い身なりをした風車の持ち主の、荒々しい動きが見もの。

舞台はオランダの平和な村。ある2人の少年少女と可愛いアヒルが、丘の上にある風車小屋の周りで楽しく遊んでいた。ところがその風車小屋の持ち主は、ずるをしては金を稼ぐ事を生きがいとする汚い身なりをした男。男がお金を小屋の中に貯め込んでいるのを発見した2人は、男に捕まってしまう。アヒルは慌てて村の大人たちを呼び、男は無事に捕まった。村の人々は男の身なりをきれいにし、小屋の中も隅々まで掃除した。
するとどうだろう。あんなに下品だった男の身なりはすっかり綺麗になり、あんなに汚かった小屋の中も美しく蘇った。男は村の人々に感謝し、貯めこんでいたお金をみんなに分け与えるのだった。

本作では立体模型を用いたセットバック撮影がふんだんに取り入れられており、フライシャー独特の迫力を生み出しているのが素晴らしい。優れた音楽や背景美術もオランダの牧歌的な雰囲気をうまく演出しており、なかなか好印象な作品である。同じく『風車小屋』を作品の主題としたディズニーの『風車小屋のシンフォニー(The Old Mill)』(1937)と対比するのも一興だろう。
ただ、―これは『カラー・クラシック』短編のほぼ全てに言える事なのだが―作品内にユーモアが欠如しておりあまり楽しくないのが残念。1934年以降、フライシャー・スタジオはディズニーの影響を受けて徐々に作風が変化していき、初期にあったシュールな魅力が少しずつ失われていくのである。



※収録DVD:Max Fleischer's Color Classics: Somewhere in Dreamland

2018年6月21日木曜日

The Old Mill(風車小屋のシンフォニー)

監督:ウィルフレッド・ジャクソン
公開日:1937年11月5日
評価点:★10

圧倒的なビジュアルで描き出される自然の美しさ


『カートゥーンの黄金時代』が産声を上げた直後の1929年より製作が開始され、数々の技術革新、そして作品としてのクオリティの高さにより1930年代におけるカートゥーン界を牽引してきた歴史的な短編シリーズ『シリー・シンフォニー』。
その中でもひと際輝いた魅力を放ち、アニメーション史に残る傑作に数えられるこの美しい短編は、同シリーズ第68作・シリーズ後期にあたる作品である。
監督は、これまでにも同シリーズで数々の名作の演出を担当してきたウィルフレッド・ジャクソン。音楽とアニメーションの見事な融合にかけては、この監督に敵う演出家はいなかったであろう。


のどかな田園の奥に、古びた風車小屋が聳え立っている。もう既に使われなくなって久しい小屋の中では、鳥や獣たちが思い思いの生活を営んでいた。夜になると蛙たちが軽快な合唱を始める。彼らの声に合わせるかのようにコオロギが鳴き始め蛍が飛び交い、辺り一面は小さな演奏会と化すのだった。
その時、夜空が瞬く間に雲に隠れ、雨が降り出した。嵐が始まったのだ。風車小屋では歯車が激しく音を立てながら回り始め、植物たちは悲痛な演奏を奏で、風車小屋に棲む動物たちはひたすら自然の脅威に耐えていた。そして突如雷が風車小屋に直撃し、風車小屋は大きな音を立てて半壊してしまうのだった。
嵐が止み夜明けが訪れると、そこには嵐が起こる前と何ら変わらない生活を営む動物たちの姿、そして美しい自然の姿があった。


この作品を語る上では、ある特殊な装置の存在をまず最初に知っておく必要がある。
1937年、ウォルト・ディズニー・プロダクションに所属する録音技師ウィリアム・ギャリティは、初のカラー長篇アニメ映画『白雪姫』の製作に向けて、ある特殊な撮影台を開発した。マルチプレーン・カメラである。この装置は複数枚のセル画を複数の層(プレーン)に設置し、それぞれを異なったスピードで動かすことで作品に立体感を生み出すという画期的な代物だった。
既に1926-27年頃にロッテ・ライニガー、1933-34年頃にはアブ・アイワークスが似た機構の立体撮影装置を開発してはいたが、ディズニーはこれらの装置を更に改良し、作品のリアリティを飛躍的に高めようと目論んだのであろう。また1934年には当時ディズニーの最大のライバルであったフライシャー・スタジオがステレオプティカル・プロセスという立体撮影装置を開発している。こちらは平面のセルの奥に、背景として立体模型をセットし撮影するという方式(セットバック撮影)で、ディズニーのマルチプレーンとは少し毛色の異なる技術だった。
この作品ではそのマルチ・プレーンカメラによる撮影がスタジオ内で初めて取り入れられ、『白雪姫』に先行すること一か月前に公開された。言わば『マルチプレーン・カメラのテスト作』なのである。
この装置を用いて撮影された場面、特に冒頭の風車小屋を取り巻く遠景、そして風車小屋が嵐に翻弄されるシーンは、公開から80年を経た現在でも圧倒的な美しさを放っている。

この作品が製作された1937年当時のディズニー短編は、写実性、抒情性の両面で絶頂期に入っており、一種の芸術作品の域に達していた。アニメーションの楽しさが圧倒的なリアリズムによって表現され、その素晴らしさは現在観ても全く見劣りしない。この作品も例外ではないが、ディズニー作品の中でもかなり『写実性』に重点が置かれている点で一線を画す。
全編通して自然描写に徹しており、劇的なストーリーは持っておらず、ギャグも皆無に等しい。もしかすると人によっては退屈に思える内容かもしれない。だが、私はこの作品を見る度に、この素晴らしく迫力のあるアニメーションと音楽によって描き出される自然の美しさと脅威にひたすら圧倒され、魅了されるのだ。『白雪姫』の美術を手掛けたサム・アームストロングによる絵画のように美しい背景美術も、この作品の大きな魅力と言える。
アニメート技術が飛躍的に向上し、夢の世界が圧倒的な説得力を持って描き出されていた1930年代後半のカートゥーンを代表する、アニメーション史に燦然と輝く名作である。



※収録DVD:シリー・シンフォニー 限定保存版 (初回限定) [DVD]

2018年6月15日金曜日

Congo Jazz(混合ジャズ)

監督:ヒュー・ハーマン&ルドルフ・アイジング
公開日:1930年4月19日
評価:★5

ボスコがジャングルの動物たちと楽しくダンス


黒人少年ボスコを主人公としたシリーズ『ルーニー・テューンズ』第2作。作画はカーマン・マックスウェル、後にウォルター・ランツのスタジオに移籍し数多くの作品を監督するポール・スミスの2人である。2人はヒュー、ルドルフと同じくディズニー出身であり、『アリス・コメディ』といった初期シリーズの製作に携わっていた。
となると、この作品がサイレント期におけるディズニーそっくりの作風となるのも当然。事実この時期のボスコの動きやパーソナリティーは『オズワルド』そのものである。ストーリーラインもどことなくディズニーの『Africa Before Dark』(1928)や『Jungle Rhythm』(1929)を想起させる物となっている。

あらすじはシンプルで(この作品のメインはあくまでも音楽なのである)、狩りに来たボスコが猛獣に襲われそうになるが、音楽を奏でる事によりなんとか助かり、ラストは動物たちと一緒に軽快なジャズセッションを愉しむ、というもの。
アニメーションは良く出来ており音楽も愉快だが、ギャグや独創性、そしてキャラクターの個性に乏しく少し退屈な印象を受ける。これは同時期のルーニー・テューンズ、そしてハーマン=アイジング作品のほとんどに言える事であった。楽しいが、とにかく平凡でオリジナリティに欠けるのである。

この作品の見どころは、ラストの愉快なジャズセッションである。ディズニーとは異なり、音楽担当のフランク・マーセルズはワーナー・ブラザーズが権利を持つポピュラー音楽をBGMにふんだんに取り入れる事ができた。この作品でも、『Giving It This and That』という1930年に発表された軽快なジャズソングがラストで使用される。



※収録DVD:Looney Tunes Golden Collection Vol.6

2018年6月11日月曜日

Silly Scandals(ビン坊の寄席見物)

監督:デイヴ・フライシャー
公開日:1931年5月23日
評価:★7

歌うベティと幻想的なクライマックスに見惚れる一作


『トーカートゥーン』第22作。ベティ・ブープもこの頃になるとビン坊に代わるスタジオの新たなスターとなり始めており、本作でも1930年にヒットした『You're Driving Me Crazy』を一曲披露してくれる。この作品の見どころは、ずばりこのベティの歌声と、後述するクライマックスの名シーンの2つに尽きるのである。

寄席(ヴォードヴィル)のポスターを街中で見かけたビン坊は、お金が無いのでどさくさに紛れて劇場に潜入する。これが本当の"びんぼう"なんちって… 舞台からベティが登場し、名曲『You're Driving Me Crazy』を披露。ビン坊は客席からベティと一緒に歌い出し、他の観客たちに睨まれてしまう。
続いて手品師が登場するのだが、ビン坊が彼の手品を見て大笑い。怒った手品師は催眠術を使ってビン坊を舞台へ誘導し、ビン坊は様々な魔術をかけられてしまう。終いには頭をポカリと一撃され、映像もサイケデリックに一転、目まぐるしいテンポで変化するアニメーションの中で先程の『You're Driving Me Crazy』を歌い上げるのだった。

この作品でもベティはセクシーさが強調されており、歌っている途中でドレスがずり落ちブラジャーが丸見えになる、なんていうギャグもある。また太ももにガーターベルトを付けているなど、現在知られているスタイルにぐっと近づいている。
そして何より、この作品の肝はシュールで幻想的なラストシーン。ビン坊の顔が分裂し結合し、次々に様々な形に変わっていく。ビン坊だけではなく、背景までもが目まぐるしく変化し動きまくる。まさにサイケデリックなアニメーションが次々に展開していくのだ。

ストーリーは平板で、作品前半では目立ったギャグやアニメ―トも少ない凡作なのだが、このラストシーンが素晴らしすぎるが故に、私にとってはシリーズ中で最も強烈な印象を残した作品の一つなのである。クレジットが散逸したために、作画者が不明なのがつくづく惜しい。私の予想ではシェイマス・カルへインやアル・ユーグスター辺りのような気がするのだが…どうなんだろう。(Wikipediaではグリム・ナトウィックが作画者となっているのだが、本当なんだろうか?)




(ルディ・ヴァリーが歌う『You're Driving Me Crazy』。当時人気絶頂だった彼は『スクリーン・ソングス』にも数多く出演していた)