2018年1月31日水曜日

Fiddlesticks

監督:アブ・アイワークス
公開日:1930年8月16日
評価点:★5

名匠が手がけた奇妙な小品


ミッキーマウスの生みの親であるアブ・アイワークスがディズニーから独立した後に初めて手がけた作品であり、約三年間続く『カエルのフリップ』シリーズの第一作。
1929年、ディズニーの体制に嫌気が差したアブは、当時音響装置『シネフォン』をディズニーに提供していたパット・パワーズと独自に契約を結び、自身のスタジオ『アイワークス・スタジオ』を立ち上げる。そのアイワークス・スタジオの記念すべき第一作である。

当時としては珍しい二色式テクニカラーで制作されており、アブ独特の美的センスを存分に楽しむ事が出来る。だが、そのアニメーション自体は滑らかではあるが凡庸、ミッキーマウスのようなキャラクターの魅力も乏しければストーリー展開も平坦。更にいくつかのギャグ、そしてデザインはディズニー時代に手掛けた作品から再利用している物もある。
後にワーナーの大黒柱となるカール・ストーリングの音楽も愉快、という訳ではないが軽快で美しく、なかなか楽しめる。

アブは天才アニメーターだったが、彼が才能を発揮できたのは旧友であり共同経営者でもあった、ウォルト・ディズニーの元で働いていたからだったのかもしれない。
とはいうものの、牧歌的でゴムのようにぬるぬると動く、少し奇妙ではあるがかわいらしい小品である。初期のディズニー作品が好きな方は、その魅力を存分に感じる事ができると思う。


Swing You Sinners!(お化オン・パレード)

監督:デイヴ・フライシャー
公開日:1930年9月24日
評価点:★9

フライシャー兄弟がトーキー初期に生み出したドラッギーな傑作


この作品は、フライシャー兄弟がトーキーを売りにして発表した新シリーズ『Talkartoon』の9作目(10作目との説もあり)として1930年に公開された。
この作品に登場する、後にベティ作品の名脇役となるビンボーはまだそのデザインが確定しておらず、テッド・シアーズとウィラード・ボウスキーが手がけた作品のアニメーション自体も不安定なものだった。
だが、この作品が持つ創造性やその自由度の高く狂気に満ちたシークエンスの数々は、今でも我々を恐怖に怯えさせ、かつ興奮させてくれる。

ストーリーは他の同時期の短編と同じく単純で、ニワトリを盗もうとしたビンボーが警官に追われ、逃げ込んだ墓地や廃屋でお化けによって大変な騒ぎにあうというものである。
とにかくジャズエイジの香り漂うノリノリのジャズと怪奇趣味が見事に融合しており、そのブラックで底抜けにグルーヴ感溢れる空気感は同時期の作品を圧倒しているといえよう。
特に後半の、ジャズナンバー『Sing you sinners』に合わせて踊りだすお化け達は、ひたすら狂騒的で突拍子もなく、そして何より楽しい。

(タイトルの元ネタであり、作品後半のBGMとして用いられるジャズナンバー『Sing you sinners』。同年公開の映画『Honey』の挿入歌として用いられヒットした。)

とにかく一度見てみよう。
そこには言葉で言い表せない狂気と興奮の世界が待っている。

ブログ始めました

なんとなくブログを始めてみました。主にカートゥーンやテレビアニメの感想や考察について、気が向いた時に備忘録的な感じでゆるく書いていこうと思います。
一応レビュー時には
タイトル・監督・公開日・評価点(10点満点)
を毎回明記した上でぼちぼち更新していこうと思います。たまに日々の雑記が入るかも。
Twitterメインでこちらは余り更新できないとは思いますが、よろしくお願い致します~