ラベル ウォルト・ディズニー の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル ウォルト・ディズニー の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2019年1月7日月曜日

The Plow Boy(ミッキーの畑仕事)

監督:ウォルト・ディズニー
公開日:1929年6月28日
評価:★5

ホーレス・ホースカラーのデビュー作


「ミッキーマウス」第8作。
本作前後から、バート・ジレットやベン・シャープスティーン、レス・クラーク、そしてウィルフレッド・ジャクソンといったアブ以外のアニメーターたちが作画に大きく関わるようになる。彼らは1930年にアブがディズニーから独立した後、スタジオの作風をより洗練されたものへと変化させていく。

農夫に扮するミッキーは、乳絞り女のミニーと出会う。ミッキーは自分の仕事はそっちのけで乳絞りを手伝うが、調子に乗ってむりやりミニーとキスしてしまったのでミニーはカンカンに怒り出す。それを見てホーレスは大笑いするが、ちょうどその時飛んできた蜂に刺されてしまったのだからさあ大変。ホーレスは痛さのあまり大暴れ、さらには切り株にぶつかった衝撃で鋤が壊れてしまった。嘆き悲しむミッキーだったが、なんとそこにはのんきに土を掘っている豚がいるではないか。大喜びするミッキーとホーレスは豚を鋤に見立てて、再び畑を耕し始めるのだった。

(図1)
この時期のミッキー作品に共通する欠点だが、本作には一貫したストーリーラインが存在しない。後半のホーレスが暴走するシーンにて次々と登場する視覚ギャグは楽しいが、基本的にはテンポも悪く音楽も貧弱で退屈な内容である。
肝心のギャグも粗野な物が多く、ディズニーの持つ田舎っぽさが悪い意味で目立ってしまった作品と言えるだろう。また背景とキャラクターの動きが反対になっているために、キャラが逆向きに歩いているように見えるシーンも存在する。(図1)
本作で特筆すべきなのは、本作が1934年頃にドナルドやグーフィーといった魅力的なキャラクターが登場するまでミッキーの名脇役として活躍したホーレス・ホースカラーのデビュー作だとされている点である。(文献やサイトによっては本作に登場する牝牛がクララベル・カウだとされている事もあるが、本作の牝牛はほとんど擬人化されていないため、ただの家畜だろうと筆者は考えている。)



収録DVD:ミッキーマウスDVDBOX vol.1

2018年11月30日金曜日

When the Cat's Away(ネコの居ぬ間のタップダンス)

監督:ウォルト・ディズニー
公開日:1929年4月11日
評価:★4



ミッキーが本来のネズミの大きさで登場する異色作


「ミッキーマウス」第6作。
作画は主にアブ・アイワークスとベン・シャープスティーンの2人が担当したようだ。確かに本作辺りから、アブのタッチとは若干異なる作画が見受けられるようになる。ベン、そしてバート・ジレットはちょうどこの時期にディズニーのスタジオへ入社し、アブの影響が色濃かったスタジオの作風を徐々に変化させていく。

トム・キャット(ピートによく似ているが、別人らしい)が狩りに出かけると、ミッキーとミニーは彼らの友人であるネズミたちと一緒にトムの家へと忍び込む。ミッキーとミニーはピアノで「かわいいオーガスチン(Oh du lieber Augustin)」を弾き、他のネズミたちは家具や自分を楽器に見立てて楽しく演奏を始める。他にも「Listen to the Mocking Bird」や「埴生の宿(Home Sweet Home)」といった古くから伝わる歌をバックに様々なギャグが展開される。

前作『ミッキーのオペラ見学(The Opry House)』まではその快活さで作品に華を添えていたBGMが、本作では突如として貧弱になり音楽面での魅力が非常に薄くなってしまった。その割には音楽ありきのギャグやダンスシーンが内容の大部分を占めており、視覚的なギャグやストーリーラインは皆無に等しい。全体を通して、少し退屈な作品である。
1929年度の「ミッキーマウス」は本作のようにトーキーの物珍しさに甘んじたかのような作品が目立っており、こうした作品群に不満を持ったアブや音楽監督であるカール・ストーリングのフラストレーションが、「シリー・シンフォニー」という新しい実験的なシリーズを生み出すきっかけになったのではないだろうか。事実、「シリー・シンフォニー」の第一作『骸骨の踊り(The Skeleton Dance)』のアイデアをウォルトに最初に提案したのはストーリングだったのだ。
また、本作は「アリス・コメディー」時代の短編『アリスの家を守ろう(Alice Rattled by Rats)』(1925)のリメイク作であり、両作の間で類似したギャグが見受けられる。(3匹のネズミが自分たちを蓄音機に見立ててレコードを演奏するというギャグなど)
またリメイク元の設定をそのまま踏襲したためか、本作はミッキー達が実際のネズミと同じ大きさで登場するという非常に珍しい作品でもある。



収録DVD:ミッキーマウスDVDBOX vol.1

2018年11月24日土曜日

The Barn Dance(バーン・ダンス)

監督:ウォルト・ディズニー
公開日:1929年3月14日
評価:★7


生意気なキャラクターがキュートな佳作


「ミッキーマウス」第4作。前作の『蒸気船ウィリー(Steamboat Willie)』に引き続き当初よりトーキー作品として製作されたが、本作は音楽劇ではなくストーリーとギャグが主体である。そのため前シリーズの「オズワルド」を彷彿とさせる楽しい作品に仕上がっており、生意気で野暮ったいキャラクター達が巻き起こす騒動を存分に楽しむことができる。
作画は主にアブ・アイワークスとレス・クラークの2人が担当したようである。本作でもアブのスマートで軽快なアニメ―トが冴えている。

「おんまはみんな(The Old Gray Mare)」のメロディーに乗せて馬車を走らせるミッキー。彼はミニーをバーン・ダンスに誘おうとしたのだが、不運にも同じくミニーをダンスに誘おうとしたライバル、ピートが車でやってくる。ピートの車に惹かれたミニーはピートをダンスの相手に選ぶが、その直後に車が事故を起こしてしまう。そこでミニーはミッキーと共にダンス会場へと向かうのだったが…
なんとミッキーは踊りが大の苦手だったのだ。ミニーの足を何回も踏んづけてしまったので、カンカンになったミニーは踊りの上手なピートを次の相手に選んでしまう。嫉妬したミッキーは機転を利かせてズボンに風船を仕込み、今度こそミニーと上手に踊ろうと画策する。
ところが仕掛けに気付いたピートがパチンコで風船を割ってしまったために、この作戦も失敗。とうとうミニーが愛想を尽かしてしまったので、ミッキーは泣き出してしまうのだった。

悪役が主人公の恋敵として登場し、ヒロインを巡って争うという図式は「オズワルド」を始めとするサイレント時代のディズニー製カートゥーンではよく見られるスタイルであった。本作のプロットやギャグはサイレント時代からの大きな変化はないが、踊りを作品の中心に据えているのはトーキー作品らしい。
本作の見どころは、少し生意気だが生き生きとしたキャラクター達のキュートさに尽きる。現在でこそ「スター」「品行方正」といったイメージが定着してはいるが、1932年頃までのミッキーはいたずらっぽく快活で、少し生意気な少年だった。性格に深みはないが、とにかく元気で明るい典型的なカートゥーン界の住人だったのだ。
また、サウンドトラックも興味深い。本作で使用されている曲は「おんまはみんな」「いいやつみつけた(Pop Goes the Weasel)」「Reuben and Rachel」といった古いフォークソングが中心であり、ポピュラー音楽を所狭しと使いまくっていたフライシャー兄弟やハーマン=アイジングの作品とは対照的である。
そもそも「バーン・ダンス」自体がアイルランドの古い習慣だったらしく、アイルランド系の移民であるウォルトの嗜好が伺える。



収録DVD:ミッキーマウスDVDBOX vol.1

2018年11月17日土曜日

Steamboat Willie(蒸気船ウィリー)

監督:ウォルト・ディズニー
公開日:1928年11月18日
評価:★10


『ミッキーマウス』の伝説


オズワルドを失ったウォルトとアブが新しいキャラクター「ミッキーマウス」を用いて製作した『プレーン・クレイジー(Plane Crazy)』と『ギャロッピン・ガウチョ(The Gallopin' Gaucho)』は素晴らしい出来だったが、配給会社が見つかることはなかった。オズワルドを始めとするそれまでのディズニー製カートゥーンと、一線を画す物がなかったからだ。ウォルトは、さらなる新しい要素を作品に追加する必要があると悟った。
本作の公開前年には、サウンド付きの映画『ジャズ・シンガー』が大ヒットを記録していた。時代はサイレントからトーキーへと移り変わろうとしていた。成功のチャンスとなる新しい要素は、紛れもなくサウンドだったのである。
こうして「ミッキーマウス」第三作の『蒸気船ウィリー』は、ディズニーとしては初めてのサウンド付きカートゥーンとして製作が開始された。
そして、愉快なネズミが主人公の、およそ7分半のこの短編は、伝説となった。

口笛を吹きながら、蒸気船を操縦するミッキー。ところが勝手に操縦していたため船長のピートに叱られてしまう。
蒸気船が港に到着すると、ミッキーが家畜を蒸気船に積み上げる。ミッキーが家畜を運び終わると再び蒸気船が出港するが、ミニーが蒸気船に乗り遅れてしまったのでミッキーは彼女をクレーンで蒸気船へと運ぶ。ところがその拍子に彼女が持っていた楽譜とギターがヤギに全て食べられてしまったのだ。そこでミッキーとミニーはヤギをオルガンに見立てて、ヤギを使って演奏を始める。
ヤギの口から『わらの中の七面鳥』のメロディーが流れ出すと、ミッキーは音楽に合わせて食器や洗濯板、挙句の果てには動物までもを楽器代わりにして大騒ぎする。
ところがこの乱痴気騒ぎをピートに見られたのだから、一巻の終わりである。またしてもピートに叱られたミッキーは、罰としてジャガイモの皮むきをさせられるのだった。

前二作に引き続いて大部分の作画をアブ・アイワークスが担当したと思われるが、ウィルフレッド・ジャクソンやレス・クラークといった若手アニメーターも製作に関わっている。特にウィルフレッドに関しては音楽の知識があったため、本作のサウンドトラックまで担当したという活躍ぶりである。
さて、本作の最大の特徴は、紛れもなく「音楽とアニメーションとの完璧なシンクロ」にある。

本作は決して「世界初のトーキーアニメーション」ではない。実際に1926年にはインクウェル・スタジオ(フライシャー・スタジオの前身)が既にサウンド付きの小唄漫画『My Old Kentucky Home』を製作しているし、本作公開の2ヶ月前にもポール・テリーがサウンド付きのカートゥーン『Dinner Time』を製作している。しかしこれらの作品は、『蒸気船ウィリー』のように音とアニメーションが完璧にシンクロしているわけではなかった。
本作は蒸気船の汽笛とミッキーの口笛から始まるが、どちらもアニメーションと音楽が完全にシンクロしている。ヤギをオルガンに見立てて演奏するギャグは既に『ライバル・ロメオズ(Rival Romeos)』で使用されたものだが、本作ではさらに有意義なギャグとして効果的に用いられている。バケツを叩くミッキーとドラムの音は完璧に調和しているし、スクリーンの観客に向かって鳴き喚くアヒルの臨場感は格別である。
この完璧なシンクロが実現したのは、「バー・シート」や「バウジング・ボール」を作画や録音に用いた事が大きく関係していたという。ウォルトやアブを始めとするスタッフたちの野心と情熱が、カートゥーンに革新をもたらしたのである。

ところが、本作にも欠点がないわけではない。『ギャロッピン・ガウチョ』やそれ以前のオズワルド作品にあったストーリーラインが皆無なのである。
確かに本作はあくまでもミュージカルであり、物語の筋書きは必要ない。つまり「トーキーでないと成立しない作品」なのだが、本作のヒットを機にディズニーではこの後しばらくこういった音楽主体の作品が量産される事になる。ストーリーや視覚的なギャグは二の次になり、音楽に絡めたギャグやダンスが作品の主体になってしまうため、これはどうしても退屈なものになってしまうリスクがあった。
しかし本作には、原始的だが愉快な、音に合わせて絵が動く楽しさに溢れている。家畜を楽器同然のように扱うミッキーも、乱暴だがこの上なく愉快だ。

Down South(1930)
本作は、アメリカのカートゥーン業界に大打撃を与えた。
ディズニーは一躍業界のトップに躍り出ることになり、1930年代前半までに「ミッキーマウス」はアメリカン・カートゥーンのシンボル的存在になった。
そして、幾多ものスタジオがディズニーの作風(そしてアブの作画スタイル)に影響を受けながら、独自のスタイルを築いていった。「アメリカン・アニメーションの黄金時代」の幕開けである。
本作の影響の強さは、チャールズ・ミンツのスタジオにてディック・ヒューマーらが製作した『Down South』という作品からもよくわかる。ヴァン・ビューレンやハーマン=アイジングの作品も、1930年頃はミッキー調の快活なキャラクターで溢れかえっていた。
一方サイレント時代におけるカートゥーンの王者だった「フィリックス」とパット・サリヴァンはカートゥーン業界の玉座から転がり落ちてしまい、その栄華を取り戻すことはなかった。同じく業界トップから転落したフライシャー兄弟は…業界トップに返り咲く事は決してなかったが、1930年代を通じてディズニーの強力なライバルとして君臨し続けたのである。

本作は、様々な意味でアメリカン・アニメーション史の転換点となった作品である。そして公開から90年を経た現在も決して色褪せる事のない輝きを放ち続ける、まさに「伝説の作品」なのだ。


(上記の公式動画では、ミッキーが豚のお母さんを楽器に見立てるシーンがカットされている)

収録DVD:ミッキーマウスDVDBOX vol.1
     オズワルド・ザ・ラッキー・ラビット 限定保存版

2018年11月8日木曜日

The Gallopin' Gaucho(ギャロッピン・ガウチョ)

監督:ウォルト・ディズニー
試写日:1928年8月2日
公開日:1928年12月30日
評価:★8

『ミッキーマウス』の変化


前作「プレーン・クレイジー(Plane Crazy)」の試写から約3か月後、ディズニーは再びネズミを主人公にした短編を製作する。この作品が試写された8月にディズニー製作分のオズワルドは終了したため、恐らくこの作品はミンツとの契約終了後に製作されたと思われる。オズワルドと並行して製作された「プレーン・クレイジー」とは異なり、こちらは本当に0からのスタートだったのだ。
作画も前作に引き続きアブ・アイワークスがほぼ単独で手がけたと思われる。ただこの頃ウィルフレッド・ジャクソンがスタジオに入社しており、ウィルフレッドとレス・クラークがヘルプで作画したシーンも幾つかあるかもしれない。(ウィルフレッドは次作「蒸気船ウィリー」でなんと音楽を担当したのだ)

お尋ね者のガウチョ、ミッキーはダチョウに乗って酒場へと向かう。酒場でミッキーはダンサーのミニーと共にダンスを踊っていると、そこに現れたのが荒くれ者のピート。ピートはミニーを連れ去ってしまうが、ミッキーも酔っ払ってしまったダチョウに乗ってピートを追いかける。ピートのアジトに辿り着いたミッキーはついにピートと決戦。機転を利かせた戦法で見事勝利したミッキーは、前作では叶わなかったミニーとの熱いキスを交わすのだった。

この愉快な短編は、2作目にしてミッキーマウスというキャラクターが2つの面で変化した作品といえる。
まず、デザインが変化した。前作ではフィリックスのような大きな白目が特徴だったが、本作の後半部分からは現在でもお馴染みの黒目がちなデザインになっている。また、ブーツも今作からの着用である。
そして、性格も変化した。前作ではいたずらっぽい好色な面が目立っていたが、本作では一転、勇敢な正義の味方『ガウチョ』を演じている。後のミッキー短編でも本作のようなメロドラマ的な物語は何度となく用いられたが、本作はミッキーが「ヒーロー」としてフィーチャーされた最初の作品といえる。(とはいえ、高笑いしながら煙草を吸い酒を飲み干す荒っぽい所作は、現在のパブリックイメージとは似ても似つかないが…)
また、トーキー版の音楽を担当したカール・ストーリングにとっても重要な作品である。彼は元々映画館で無声映画のための伴奏音楽の演奏や楽団の指揮などを行っていたのだが、恐らく本作と「プレーン・クレイジー」が彼が初めて音楽を担当したアニメ―ションだったと思われる。1930年代後半以降ワーナーにて伝説的な功績を残す事になるストーリングだが、本作は彼の原点なのだ。

本作はストーリーが主体であり、ギャグ中心だった「プレーン・クレイジー」に比べると視覚面での楽しさは薄れている。だが、「ミッキーマウス」というキャラクターの変遷を考える上では重要な作品といえるだろう。そして本作はその完成度の高さにも関わらず、またも配給会社を獲得する事ができなかった。
だが、ディズニーに訪れる大きな好機は、もうすぐそこまで来ていた。



収録DVD:ミッキーマウスDVDBOX vol.1

2018年11月5日月曜日

Plane Crazy(プレーン・クレイジー)

監督:ウォルト・ディズニー
試写日:1928年5月15日
公開日:1929年3月17日
評価:★10


『ミッキーマウス』の誕生


1928年の春にニューヨークへと旅行したウォルト・ディズニーは、そこでオズワルドの権利が配給元のユニバーサルとチャールズ・ミンツにある事を知り、更にはヒュー・ハーマンやルドルフ・アイジング、そしてフリッツ・フレレングといった有能なアニメーターまで失う事となる。
アニメーターとオズワルドを失ったウォルトの下に残ったのは、スタジオ設立以前からの盟友であったアブ・アイワークスと、当時まだ新人だったレス・クラークを始めとする数人のアニメーターだった。アブは、「ミッキーマウス」という新しいキャラクターが登場するカートゥーンの原画をほぼ1人で、しかも2週間で描きあげた。そして何より驚くべきなのは、この突貫工事で作り上げたカートゥーンが今までのディズニー作品の中で最も楽しい代物だった、という事である。そうして生まれたのが「プレーン・クレイジー」、ミッキーマウスが初めてフィルム上で動いた記念すべき作品である。

リンドバーグに憧れるミッキーは動物たちと飛行機を作るが、失敗する。それでもめげないミッキーは自動車とクジャクの羽を使って再度飛行機を作り上げ、ガールフレンドのミニーを空の旅へと誘う。飛行機は幾多のトラブルを経てやっと離陸するが、ミッキーにキスを強要されたミニーは怒って飛行機から降りてしまう。ミッキーがミニーに気を取られて操縦を忘れたがために飛行機は真っ逆さまに墜落、恋も飛行の夢も悲惨な終わりを迎えてしまうのだった。

この作品は元々はサイレント映画として制作され、カール・ストーリングによるサウンドトラックは1929年の劇場公開時に改めて追加された物である。そのため、音と映像の同期という点では少し原始的な作りになっており、当初よりトーキー映画として制作された『蒸気船ウィリー』以降の作品と比べると見劣りがする。
ただ、映像面では『蒸気船ウィリー』を超える楽しさに満ちているといえるだろう。この6分の短編映画にはパースの変化を存分に楽しめる背景動画や激しいアクション、そしてキャラクターのパントマイムを中心とした愉快なギャグがこれでもかと詰め込まれており、アニメーションが本来持つ原始的な楽しさを堪能できる。
アブの作画はしっかりした遠近感と流れるようなアニメーションが特徴だが、この作品ではそんなアブの長所が最大限に活かされたといっても過言ではないだろう。
特に目を見張るのは、ミッキーが操縦する飛行機が自動車や柱に衝突するシーンだ。この背景動画の素晴らしさは言葉にできない。まるでこちらまで飛行機に乗っているかのような、素晴らしい酩酊感と臨場感を味わう事ができる。

本作品を含め、初期のミッキーは現在のような紳士的な性格ではなく、いたずらで好色な面が目立つ。オズワルド、そして「フィリックス」や「マットとジェフ」「道化師ココ」といった同時代のカートゥーンキャラクターの基本的な性格を踏襲した結果だろう。(アブのアニメーション自体はポール・テリーの「イソップ物語」から多分な影響を受けていると思われる)
デザインや作風も(同一スタッフなので当然だが)オズワルドとよく似ており、サイレント作品として制作された本作は配給会社が見つからず、お蔵入りになってしまったという。ディズニーとアブが再び栄光を勝ち取るには、本作の試写日から約半年後の11月18日、ディズニー初のトーキー作品「蒸気船ウィリー」の公開日までその好機を待たねばならなかった。



収録DVD:ミッキーマウスDVDBOX vol.1
     オズワルド・ザ・ラッキー・ラビット 限定保存版

2018年10月18日木曜日

The Cookie Carnival(クッキーのカーニバル)

監督:ベン・シャープスティーン
公開日:1935年6月29日
評価点:★8

まさに「お菓子」のような甘い魅力を持つ傑作


シリー・シンフォニー第53作。公開年は1935年、この年には他に『うさぎとかめ(The Tortoise and the Hare)』『音楽の国(Music Land)』『誰がコック・ロビンを殺したの?(Who Killed Cock Robin?)』といった傑作群が立て続けに発表された。1930年代のカートゥーンを代表するこのシリーズも、30年代中期に差し掛かりまさに円熟の域に入っていたと言える。
さて、この作品はタイトル通り「お菓子の国」を舞台にした作品で、登場人物たちも皆クッキーなどのお菓子を擬人化したキャラクターとなっている。背景美術もお菓子がモチーフとなっており、同時期のシリー・シンフォニー作品の中でも異彩を放っているといえるだろう。

お菓子の国では、今日は楽しいカーニバルの日。カーニバルでは、一番美しい女を女王にするためのコンテストが開かれていた。そんな賑やかなカーニバルをよそに、綺麗な服を持っていないためにコンテストに出られないと嘆くクッキーの女の子。たまたま女の子の近くを通りかかった浮浪者のクッキーは、お菓子を使って女の子を美しい女性に仕立て上げてやるのだった。
さて、めでたく彼女はコンテストに出場。圧倒的な美貌により見事優勝し、女王に選ばれる。女王が決まったのなら王様も決めねば、という事で今度は王様のコンテストが開かれる。天使のケーキや悪魔のケーキなどたくさんの候補者が集まるが、女王はどれもお気に召さない様子。(この時の女王の表情が実にカワイイのだ)
それならと審査員自らが王様に立候補するが、そこへ現れたのが浮浪者のクッキー!女王は「王様に何をするの」と叫び(浮浪者クッキーの帽子は、守衛に殴られた時王冠のように割れていたのだ)、浮浪者のクッキーは王様に選ばれる。

王様が選ばれたことでパレードの盛り上がりは最高潮に達し、二人は熱いキスを交わすのだった。

さて、この作品ではアイワークス・スタジオから移籍してきたばかりのグリム・ナトウィック、テリー・トゥーンから移籍してきたばかりのビル・タイトラという二人の敏腕アニメーターが作画に大きく携わっているという点でも興味深い。
ナトウィックは浮浪者クッキーが女の子を美しい女王に仕立て上げるシーン、タイトラは天使のケーキと悪魔のケーキがダンスをするシーンをそれぞれ担当しているが、いずれのシーンもこの作品の中で特に印象深い場面である。
特にナトウィックが担当したドレスアップのシーンは、アニメ史に残る名場面といえるのではないだろうか。ベティ・ブープの生みの親であり後に白雪姫の作画にも携わる彼がアニメ―トした女の子の美しさ、可愛さ、色気は全く並大抵ではない。
フライシャー時代の荒っぽさがまだまだ残っており洗練されたアニメーションとは言い難いが、独特の野暮ったい作画の癖にまで一種の愛らしさを覚えるのである。
往年のチャップリンを彷彿とさせる浮浪者クッキーも、なかなか味わい深いキャラクターで好印象だ。(声はディズニー御用達であるピント・コルヴィッグが好演している)
まさにお菓子のような甘い魅力を持つ、素敵な作品である。



※収録DVD:シリー・シンフォニー 限定保存版 (初回限定) [DVD]

2018年8月2日木曜日

Rival Romeos(ライバル・ロメオズ)

監督:ウォルト・ディズニー
公開日:1928年5月5日
評価:★8

『ミッキーマウス』の原点ともいえるギャグが盛りだくさん


1928年に入り、デザインが丸っこくなって後のミッキーマウスのようなプロポーションになったオズワルド。アニメーションの質も飛躍的に向上し、この頃から後の『ミッキーマウス』『シリー・シンフォニー』といったシリーズに通じる魅力が垣間見えるようになる。
このギャグに溢れた愉快な短編も、そんな1928年度の作品。作品単体でも魅力的な本作だが、この作品を語る上でどうしても外せない点が一つある。それは、数あるオズワルド作品の中でも、後の短編に使い回されたギャグが非常に多いという事なのだ。

彼女のオルテンシアに会いに行くオズワルド。その後ろにいるのは、ブルジョアな身なりをした恋敵ピート。2人は車で競争するが、なんとかオズワルドが先にオルテンシアの家に到着。オズワルドは彼女に歌をプレゼントしようとするが、ヤギに楽譜とバンジョーを食べられてしまう。仕方なくオズワルドはヤギをオルガンに見立てて音楽を演奏するのだった。
ところがそれをうるさく思った隣人の猫が花瓶や額縁を投げてくる。オズワルドがそれらを避けるのに必死になっていると、ようやくピートがオルテンシアの家に到着。二人はオルテンシアを力ずくで取り合いっこしたため、オルテンシアは激怒してしまった。
結局オルテンシアは三番目にやってきたのっぽの犬と一緒にデートに出かけてしまい、ピートとオズワルドはお互いの腰を蹴り合うのだった。

テンポが良くギャグも豊富、それにアニメーションも流麗で、作品単体で観ても十分に楽しい本作品なのだが、注目すべきなのはそれだけではない。
前述した通り、この作品には後のディズニー作品、そしてアイワークス・スタジオ作品に流用されたギャグが数多く見られるのだ。以下、流用されたギャグを筆者が気付いた範囲内で列挙する。

1.冒頭のオズワルドとピートが車で競争するギャグ
『Ragtime Romeo』1931年
(カエルのフリップ、アイワークススタジオ作品)
2.楽譜にハエが止まり、音符と間違えて弾いてしまうギャグ
『名指揮者ミッキー(The Barnyard Concert)』1930年
(ミッキーマウス)
3.オズワルドの口が画面一杯に広がるギャグ、ヤギが楽譜とバンジョーを食べてしまうギャグ、ヤギをオルガンに見立てて演奏するギャグ
『蒸気船ウィリー(Steamboat Willie)』1928年
(ミッキーマウス)
4.隣人が壺や額縁をオズワルドに投げつけるギャグ
『カーニバル・キッド(The Karnival Kid)』1929年
(ミッキーマウス)

と、一つの短編内で4つのギャグが後年使い回されているのである。しかもリメイク作としてではなく、それぞれ別作品でギャグのみ拝借しているのだ。特に、ヤギのギャグに関してはあの『蒸気船ウィリー』で作品の要となる要素として再利用されているのだから面白い。
『ミッキーマウス』の原点は、やはりオズワルドだったのだ。



収録DVD:オズワルド・ザ・ラッキー・ラビット 限定保存版

2018年7月15日日曜日

The Mechanical Cow(ザ・メカニカル・カウ)

監督:ウォルト・ディズニー
公開日:1927年10月3日
評価:★7

機械仕掛けの牛とオズワルドの冒険活劇


1927年から28年にかけてユニバーサルスタジオ・ウィンクラープロダクションにより配給され、ディズニーのアニメーションスタジオとしての地位を確固たるものにした幻のシリーズ『しあわせうさぎのオズワルド』。本作品はシリーズ第4作である。
1932年にサウンドトラックを付加した上で再公開されており、現存しているプリントもその時のプリントが大本だと思われる。(下記の動画リンクは1932年再公開版。鳴き声のような効果音が用いられている)

機械仕掛けの牛を使った牛乳販売を仕事にしているオズワルド。怠け者の牛は朝になってもなかなか起きようとしないが、オズワルドはなんとか牛を起こして仕事を始める。
カバの親子にミルクを売った後、ガールフレンドのオルテンシアに出会ったオズワルドは仕事そっちのけで情事を楽しむ。
ところが突然悪者が現れ、オルテンシアをさらってしまう。オズワルドは牛に乗って悪者の車を追跡し、見事オルテンシアを救出。乱闘の末悪者もオズワルドも崖から落ちてしまうが、オズワルド達はなんとか助かり、悪者は魚に食べられてしまうのだった。

「機械仕掛けの牛」という面白い設定が目を引く本作だが、牛のパーソナリティー自体は他の動物たちと全く変わらず少し没個性な感じ。とはいえ銃に撃たれてバラバラになっても平気で生きていたり、首がマジックハンドのように伸びたりといった破天荒なギャグはなかなか面白い。
本作は『トロリー・トラブルズ』や後の『プレーン・クレイジー』のような、後半のテンポの良さやアクションが醍醐味となる作品であろう。サイレント期ならではのオーバーなリアクションやパントマイムが何度も用いられ、素早いテンポで次から次へとギャグが繰り出されるので、観ていて飽きが来ないのだ。



収録DVD:オズワルド・ザ・ラッキー・ラビット 限定保存版

2018年7月14日土曜日

Oh Teacher(オー、ティーチャー)

監督:ウォルト・ディズニー
公開日:1927年9月19日
評価:★6

オルテンシアを巡って猫とオズワルドが正面(?)対決


1927年から28年にかけてユニバーサルスタジオ・ウィンクラープロダクションにより配給され、ディズニーのアニメーションスタジオとしての地位を確固たるものにした幻のシリーズ『しあわせうさぎのオズワルド』。本作品はシリーズ第3作である。
このシリーズはオリジナルのネガが失われており、この作品も1932年にウォルター・ランツの手で再編集された再公開用のプリントしか現存していない。その際に幾つかのシーンが散逸したとの事であり、ぜひともオリジナル版のプリントが発掘されてほしいものである。
作画はヒュー・ハーマン、ローリン・ハミルトン、そしてフリッツ・フレレング。三人とも後にワーナーへ移籍し、特にフリッツはスタジオの大黒柱として数々の名作を手掛ける事となる。(ヒューは同じくディズニー組のルドルフ・アイジングと共に初期ワーナー作品の立役者となり、後にMGMに移籍する)

オズワルドは自転車に乗って、彼女と一緒に学校に行こうとする。ところがそれを邪魔するのが悪ガキ猫で、オズワルドから自転車を奪ってしまう。さらに川に落ちてしまったオルテンシアをオズワルドが助けようとするのだが(「HELP」の文字が馬になるというギャグが良い)、これもまた猫によって邪魔されてしまい、彼女に嫌われてしまったオズワルドは呆然とする。
そして、休み時間。オズワルドは猫に逆襲しようとレンガを持って待ち伏せするのだが、猫にその様子がバレてしまった。猫はレンガを投げてオズワルドに戦いを挑むのだが、投げたレンガが自分に返ってきてたちまち失神。オズワルドはさも自分が倒したかのような素振りを見せ、オルテンシアはオズワルドに惚れ直すのだった。

どうも恋敵同士の対決はオズワルド…だけではなくサイレント期の喜劇映画の定番だったようで、この後もまたシリーズ中数度に亘って繰り返されるテーマである。
前作の「トロリー・トラブルズ」と比べると作画や展開に少し粗さを感じるのが惜しい本作品だが、ギャグやキャラクターの感情表現が豊富なので結構楽しめる。特にヒューが手がけた冒頭のオズワルドが花占いをするシーン、ハミルトンが手がけたオズワルドがレンガの言い訳をして猫を怒らせるシーンの二つはキャラクターの感情がよく現れており面白い。
また、オズワルドの首が取れたり「HELP」の文字が馬になるといったサイレント期ならではのギャグも散見されるのが興味深い。



収録DVD:オズワルド・ザ・ラッキー・ラビット 限定保存版

2018年6月21日木曜日

The Old Mill(風車小屋のシンフォニー)

監督:ウィルフレッド・ジャクソン
公開日:1937年11月5日
評価点:★10

圧倒的なビジュアルで描き出される自然の美しさ


『カートゥーンの黄金時代』が産声を上げた直後の1929年より製作が開始され、数々の技術革新、そして作品としてのクオリティの高さにより1930年代におけるカートゥーン界を牽引してきた歴史的な短編シリーズ『シリー・シンフォニー』。
その中でもひと際輝いた魅力を放ち、アニメーション史に残る傑作に数えられるこの美しい短編は、同シリーズ第68作・シリーズ後期にあたる作品である。
監督は、これまでにも同シリーズで数々の名作の演出を担当してきたウィルフレッド・ジャクソン。音楽とアニメーションの見事な融合にかけては、この監督に敵う演出家はいなかったであろう。


のどかな田園の奥に、古びた風車小屋が聳え立っている。もう既に使われなくなって久しい小屋の中では、鳥や獣たちが思い思いの生活を営んでいた。夜になると蛙たちが軽快な合唱を始める。彼らの声に合わせるかのようにコオロギが鳴き始め蛍が飛び交い、辺り一面は小さな演奏会と化すのだった。
その時、夜空が瞬く間に雲に隠れ、雨が降り出した。嵐が始まったのだ。風車小屋では歯車が激しく音を立てながら回り始め、植物たちは悲痛な演奏を奏で、風車小屋に棲む動物たちはひたすら自然の脅威に耐えていた。そして突如雷が風車小屋に直撃し、風車小屋は大きな音を立てて半壊してしまうのだった。
嵐が止み夜明けが訪れると、そこには嵐が起こる前と何ら変わらない生活を営む動物たちの姿、そして美しい自然の姿があった。


この作品を語る上では、ある特殊な装置の存在をまず最初に知っておく必要がある。
1937年、ウォルト・ディズニー・プロダクションに所属する録音技師ウィリアム・ギャリティは、初のカラー長篇アニメ映画『白雪姫』の製作に向けて、ある特殊な撮影台を開発した。マルチプレーン・カメラである。この装置は複数枚のセル画を複数の層(プレーン)に設置し、それぞれを異なったスピードで動かすことで作品に立体感を生み出すという画期的な代物だった。
既に1926-27年頃にロッテ・ライニガー、1933-34年頃にはアブ・アイワークスが似た機構の立体撮影装置を開発してはいたが、ディズニーはこれらの装置を更に改良し、作品のリアリティを飛躍的に高めようと目論んだのであろう。また1934年には当時ディズニーの最大のライバルであったフライシャー・スタジオがステレオプティカル・プロセスという立体撮影装置を開発している。こちらは平面のセルの奥に、背景として立体模型をセットし撮影するという方式(セットバック撮影)で、ディズニーのマルチプレーンとは少し毛色の異なる技術だった。
この作品ではそのマルチ・プレーンカメラによる撮影がスタジオ内で初めて取り入れられ、『白雪姫』に先行すること一か月前に公開された。言わば『マルチプレーン・カメラのテスト作』なのである。
この装置を用いて撮影された場面、特に冒頭の風車小屋を取り巻く遠景、そして風車小屋が嵐に翻弄されるシーンは、公開から80年を経た現在でも圧倒的な美しさを放っている。

この作品が製作された1937年当時のディズニー短編は、写実性、抒情性の両面で絶頂期に入っており、一種の芸術作品の域に達していた。アニメーションの楽しさが圧倒的なリアリズムによって表現され、その素晴らしさは現在観ても全く見劣りしない。この作品も例外ではないが、ディズニー作品の中でもかなり『写実性』に重点が置かれている点で一線を画す。
全編通して自然描写に徹しており、劇的なストーリーは持っておらず、ギャグも皆無に等しい。もしかすると人によっては退屈に思える内容かもしれない。だが、私はこの作品を見る度に、この素晴らしく迫力のあるアニメーションと音楽によって描き出される自然の美しさと脅威にひたすら圧倒され、魅了されるのだ。『白雪姫』の美術を手掛けたサム・アームストロングによる絵画のように美しい背景美術も、この作品の大きな魅力と言える。
アニメート技術が飛躍的に向上し、夢の世界が圧倒的な説得力を持って描き出されていた1930年代後半のカートゥーンを代表する、アニメーション史に燦然と輝く名作である。



※収録DVD:シリー・シンフォニー 限定保存版 (初回限定) [DVD]

2018年6月5日火曜日

Who Killed Cock Robin?(誰がコック・ロビンを殺したの?)

監督:デヴィッド・ハンド
公開日:1935年6月29日
評価点:★9

暗黒裁判を痛烈に風刺した、アダルトな傑作


シリー・シンフォニー第54作、シリーズ中期にあたる作品である。公開年は1935年、この年には他に『うさぎとかめ(The Tortoise and the Hare)』『音楽の国(Music Land)』『クッキーのカーニバル(The cookie carnival)』といった傑作群が立て続けに発表された。1930年代のカートゥーンを代表するこのシリーズも、30年代中期に差し掛かりまさに円熟の域に入っていたと言える。
本作の監督は、2年後に『白雪姫』を監督するデヴィッド・ハンド。シリー・シンフォニーではこれ以前にも幾つかの作品を演出しているが、彼のシニカルな一面が最もよく発揮されたのは、この作品と『プルートの化け猫裁判(Pluto's Judgement Day)』(同年公開)の2作だろう。

さて、本作はTVアニメ『パタリロ!』EDテーマの一節としても馴染み深い、有名なマザー・グースの詩『こまどりのお葬式』(Who Killed Cock Robin?)をモチーフとした物語。とはいっても原作の詩からは大きくかけ離れたストーリー仕立てとなっており、こちらは裁判所・警察機関への痛烈な風刺や美女が繰り出す色仕掛けの面白さが前面に出た内容となっている。結末もディズニーらしく、明るいハッピーエンド。

セクシーな美しいミソサザイ、ジェニーに一目惚れしたコック・ロビン。彼女にムードたっぷりな歌を捧げるが、何者かに矢で射られて殺されてしまう。裁判が始まったが、裁判長も警察も裁判官も、そして証言者であるジェニーまでもがどこか投げやりな態度。無実の罪に問われた容疑者たちが次々に酷い目に遭うのだが、そこへ真犯人が現れる。実は真犯人は恋のキューピッドで、コック・ロビンはただ気を失っているだけだったのだ!かくして暗黒裁判は終わりを告げ、二人は熱い熱いキスを交わすのだった。

全体を通して、非常に大人びたシニカルな作風となっている。特に、ハミルトン・ラスクが作画を担当したミソサザイ・ジェニーは、そのデザインや動きや性格、声に至るまで全てが色気に満ちている。既にヘイズ規制が施行されていた1935年に、こうしたキャラクターが登場した事には驚くばかりだ。本来こうした作風を得意としていたはずのフライシャーは、この時期すでに穏当な作風へと転換しつつあった…。

このキャラクターは当時少なからず大衆の人気を掴んだようで(本作品は35年度のアカデミー賞を受賞している)、翌年の『うさぎとかめと花火合戦(Toby Tortoise Returns)』『ミッキーのポロゲーム(Mickey's Polo Team)』にてカメオ出演を果たしている。

『首吊りだ!』と言ったセリフが当たり前のように飛びかい、セクシーなミソサザイが周りを色気で惑わせ、濃厚なキスに酔う。やりすぎ、というくらいに強調された警察の強気な姿勢、裁判のズッコケ感はどことなく批判精神まで漂わせている。数ある「シリー・シンフォニー」の中でも、ここまで大人向けに徹した作品はなかなか見当たらない。
とはいえこれはあくまでも楽しいミュージカル。フランク・チャーチルが手がけたキャッチーでブラックなテーマ曲に乗せて展開する、どこか間の抜けたドタバタ裁判劇を素直に楽しむのも一興だろう。そして、デヴィッド・ハンドの巧みな演出、魅力的なキャラクターの色気に酔いしれるのだ。



※収録DVD:シリー・シンフォニー 限定保存版 (初回限定) [DVD]

2018年5月13日日曜日

Just Dogs(ワンちゃん放浪記)

監督:バート・ジレット
公開日:1932年7月30日
評価点:★6

犬たちの生き生きとした描写が楽しい一作


シリー・シンフォニー第30作であり、従来は『ミッキーマウス』シリーズの脇役として登場していたプルートが主演を務めた初の作品である。
『三匹の子ぶた』『花と木』をはじめとする数多くの初期ディズニー作品を演出したバート・ジレットが今作でも監督を務めており、際立ったユーモアや格別な美しさなどは目立たないものの堅実で素直に楽しめる作品となっている。

野犬の収容所に入れられたプルートと子犬。なんとかプルートを喜ばせたい子犬は檻をこじ開け、他の犬たちにも頼まれ檻を全て開放する。子犬のおかげで脱走できたプルートだったが、なぜか子犬には冷たく接したまま。
それなら、と子犬はプルートに骨をプレゼント。喜ぶプルートだったが相変わらず子犬には冷たいままである。そんな時、二匹が骨を持っている事に気付いた他の犬たちが怒って一斉に二匹に襲い掛かる。子犬は機転を利かせて犬たちにノミをぶっかけ、見事に骨を守る。ようやくプルートは子犬と仲良く接するのだった。

1931年以降の『シリー・シンフォニー』は音楽的な要素が薄くストーリー性を重んじた作品も少しずつ増えてきており、この作品もその一つである。作画のクオリティも最初期に比べるとかなり向上しており、犬たちの生き生きとした描写が楽しい。特に冒頭の収容所に収監されている犬たちの描写はそれまでとは一線を画すリアルさがあり、目を見張るものがある。
欲深く意地悪なプルート、純粋にプルートの事が大好きな子犬、二匹間で性格がまるで異なり、それぞれしっかりとした個性を持っている点も興味深い。



※収録DVD:シリー・シンフォニー 限定保存版 (初回限定) [DVD]

2018年4月30日月曜日

The Ugly Duckling(みにくいあひるの子)(1931年版)

監督:ウィルフレッド・ジャクソン
公開日:1931年12月16日
評価点:★8

観客の感情に訴えかける、ストーリーアニメの原点


シリー・シンフォニー第25作であるこの短編は、それまでの同シリーズが持っていた楽しい歌や踊り、美しい情景といった要素が薄くなった代わりに、一貫した強いストーリー性と豊かな抒情性を手に入れた作品である。
原作はよく知られたアンデルセン童話の『みにくいあひるの子』だが、本作品ではそのストーリーを大胆にアレンジし、鶏の下に生まれたアヒルの悲しみや勇敢な行動、最後に掴む幸せをペーソス溢れる表現で描き切った。なお8年後にリメイク版が製作されているが、そちらはアンデルセン童話をほぼ忠実に、より抒情的に翻案している。

この作品の肝は、ストーリーテリングと心理描写の巧みさであろう。
それまでのシリー・シンフォニーは作画レベルこそ一定の質を保ってはいたが、音楽アニメとしての側面が強くストーリーの一貫性、キャラクター描写などに関しては弱いと言わざるを得なかった。観客の感情を揺さぶる、センチメンタルな短編はまだ現れていなかったのである。
ところがこの作品は、それに成功した。一貫したストーリーを持ち、孤独に悲しみ勇気に燃えるアヒルの心情を巧みに表現することに成功したのだ。
鶏のお母さんだけではなく牛、犬、蛙にまで除け者扱いされたアヒルは木に寄りかかって嘆き悲しむのだが、この描写がえげつなく上手い。孤独に悲しむ彼の悲哀が、風に吹かれる落ち葉や物悲しげな音楽で実に見事に表現されている。また、ヒヨコを助けたことで最後にはアヒルが鶏のお母さんに家族と認められるという結末も、ディズニーらしい前向きさがあって好ましい。
作画もかなり高水準であり、竜巻のシーンは現在でも思わず息を呑んでしまう程の迫力がある。リメイク版の抒情性や画の美しさに比べるとどうしても見劣りはしてしまうが、現在でも語り継がれるべき暖かい名作と言えるだろう。

The Ugly Duckling(1925)
なお、この『鶏に育てられたアヒル』バージョンの『みにくいあひるの子』だが、実はこの作品に先駆けること6年前に既にアニメ化されている。ポール・テリーによる「Aesop's Fables」の『The Ugly Duckling』(1925)がそれである。
プロットこそ共通点が多いものの、作品の持つ説得力ではディズニーの圧勝だろう。



※収録DVD:シリー・シンフォニー 限定保存版 (初回限定) [DVD]

2018年4月17日火曜日

The Busy Beavers(カワウソ物語)

監督:バート・ジレット
公開日:1931年6月22日
評価点:★5

小さなビーバーが住処を守ろうと大奮闘


シリ―・シンフォニー第19作となるこの作品は、同年の『Birds of a Feather』と同じく自然の生き物にスポットを当てた短編である。面白さという点では正直首を傾げたくなる作品ではあるが、堅実な作画やフランク・チャーチルの牧歌的な音楽が、いかにも30年代初期のディズニーらしい雰囲気を醸し出しており悪くはない。

邦題は『カワウソ物語』とあるが、この作品に登場するのはカワウソではなくビーバーである。ビーバーは川にダムを作るという生態はよく知られているが、本作品もそんなビーバーの珍しい生態にスポットを当てた物語となっている。
ダムづくりに勤しむビーバーたち。音楽に合わせて木を切り倒したり、小枝を川に運んだりと大忙しの彼らだが、そんな時、突然大洪水がやってくる。ダムがあるから一安心…かと思いきや、作りが甘かったのかダムは今にも決壊しそうだ。このままでは住処が危ない!ある一匹の勇敢なビーバーが、大きな木を一人で切り倒した。川はせき止められ、喜び踊るビーバーたち。勇気あるビーバーを皆でたたえるのだった。

刺激的なギャグやスピード感はこの作品には存在しない。かといって後の『The Old Mill』(1937)のような写実主義に徹しているわけでもなく、数ある『シリー・シンフォニー』の中でも少し中途半端な印象を受けてしまう短編である。
だが、流石はディズニーというべきか、洪水シーンでは目を見張るような背景動画が登場する。この美しい背景動画がこの作品のハイライトと言っても良いだろう。



※収録DVD:シリー・シンフォニー 限定保存版 (初回限定) [DVD]

2018年4月10日火曜日

Woodland Café(森の音楽会)

監督:ウィルフレッド・ジャクソン
公開日:1937年3月13日
評価点:★7

虫たちが繰り広げる熱いジャズ・セッション


シリー・シンフォニー第66作、シリーズの中でも後期にあたる作品だが、当時のディズニーとしては珍しく『ジャズ』を前面に押し出した作品となっている。
『虫が集うナイト・クラブ』というディズニーらしい舞台で繰り広げられる軽快なアニメーションは、独特な都会的センスを纏っているようで、異彩を放っている。

作品の舞台となるのはおしゃれな虫たちが集うナイト・クラブ。ビッグ・バンドの豪華爛漫な演奏をバックに、虫たちは老若男女問わず踊り狂う。
物語中盤で作品舞台がバンドからステージへと変わり、色気たっぷりのハエといかにもワルな蜘蛛による劇仕立てのダンスが繰り広げられる。色気に惑わされた蜘蛛はハエを追いかけまわすが、しまいにはハエがまんまと蜘蛛をやり込めてしまい、煙草を一服。ハリウッド女優顔負けの、なんともアダルトなシークエンスだ。

そして物語は終盤へと進み、舞台はステージから再びビッグ・バンドへと戻る。彼らの演奏はますます白熱し、お客はみんなフロアに集まってノリノリのスウィングを披露する。冒頭ではつまらなさそうにしていた老紳士までもが愉快にダンスを楽しみ、挙句の果てにはぶっ倒れて担架で運ばれてしまう始末。
往年のキャブ・キャロウェイを連想させるようなパワフルな歌声とスウィンギーな演奏が続くなか、クラブ内が熱狂の頂点に達した所で画面がアイリスアウトし、物語が終了する。

この作品の見どころは、やはり終盤の熱いセッションに尽きるように思える。軽快なスウィング『Everybody's Truckin』をバックに、素早いカット割り・煌びやかな美術設計・緻密な動画によって描き出される溌剌としたダンスシーンは、まさに職人技の賜物といえるだろう。一度観たらそのグルーヴ感に酔いしれる事は間違いなし。
シリ―・シンフォニーの数ある短編の中でも、楽しさではトップクラス。まさに一級品の娯楽作品だ。
(『森の音楽会』という邦題は、正直語感が内容にそぐわない気がしないでもないのだが…)



※収録DVD:シリー・シンフォニー 限定保存版 (初回限定) [DVD]

2018年4月4日水曜日

The China Plate(桃源の夢)

監督:ウィルフレッド・ジャクソン
公開日:1931年5月16日
評価点:★7

中国を舞台に繰り広げられる冒険ファンタジー


シリ―シンフォニー第18作、1931年製作の作品である。この作品は少々凝った作りとなっており、物語は冒頭に登場する中国の皿『ウィローパターン』に描かれた風景を舞台に進められる。
威張り散らす皇帝の娘は、お年頃の純粋な少女。綺麗な蝶を追いかけているうちに川に落っこちてしまい、その場にいた釣り人の少年に助けられる。彼は娘を慰めてあげると、二人はたちまち恋に落ちてしまう。
そんな事は断じて許さん、と激怒した皇帝。彼と釣り人との勝負はいつの間にか追いかけっこへと変わり、傲慢な皇帝はついには岩のようなドラゴンに食べられてしまった。二人もドラゴンに襲われそうになるが、機転を利かせて見事退治。めでたく二人は結ばれた、といった具合である。

ストーリーは古き良き伝承風のものとなっており、上手く纏められてはいるが特別に目立つ何かがあるというわけではない。注目すべきはその世界観作りである。
もちろん今観ると若干ステレオ・タイプとなってしまう描写は散見されるが(殊に前半部分において)、そんな時代の隔たりから来る不整合感など全く感じさせないほどの美しさがこの作品には溢れている。
ルディ・ザモラらが担当した作画も31年という制作時期を考慮するとなかなかの高水準。ドラゴン、釣り人&少女、皇帝といった個性的なキャラクターを端麗にアニメ―トしている。



※収録DVD:シリー・シンフォニー 限定保存版 (初回限定) [DVD]

2018年3月21日水曜日

Egyptian Melodies(エジプトの夢)

監督:ウィルフレッド・ジャクソン
公開日:1931年8月19日
評価点:★7

画作りの美しさが際立った一作


シリー・シンフォニー第21作にあたる本作品は、タイトルの通り古代エジプトの幻想的なイメージを、エスニックな音楽に乗せて描いたもの。
同時期のシリ―・シンフォニーの御多分に洩れず、はっきりと筋の通ったストーリーは存在しない、ひたすら画の美しさで観客を魅せる作品に仕上がっている。

物語はスフィンクスを映した遠景のカットから幕を開け、次のシーンでは一匹の可愛らしいクモが古代エジプトのピラミッドに潜入する。
その次に登場するカットはある意味この作品一の見どころ、いやアニメ作画史に残る名作画と言えるだろう。

クモが薄気味悪い遺跡内部を探検する様子が、一人称視点の見事な背景動画で克明に描き出されている。カメラアングル、緻密な作画どれをとっても素晴らしい臨場感!観ている側はこちらまでピラミッドを探検しているような気分になる。
後にミッキーマウスの短編『The Mad Doctor』(1933)にも流用される、屈指の名作画である。

ようやく内部に潜入できたと思ったクモだったが、そこへミイラ達が現れ怪しげなダンスを踊り始める。なんと壁画まで動き始め踊り狂い、すったもんだの大騒ぎ。
ディズニー持ち前の細やかな作画や迫力ある構図はもちろん、多重露光を用いたり小気味良いテンポで話が展開されたりと、かなり意欲的な表現を試みている。
恐怖に震えるクモは急いで来た道を駆け戻り、砂漠の果てへ逃げていくのだった。

言葉やストーリーの妙よりも、映像の美でひたすら勝負し、魅せる。これこそクラシック・カートゥーンの一つの醍醐味といえるのではないだろうか。



※収録DVD:シリー・シンフォニー 限定保存版 (初回限定) [DVD]

2018年3月8日木曜日

Lullaby Land(子守歌)

監督:ウィルフレッド・ジャクソン
公開日:1933年8月19日
評価点:★7

夢の世界を美しく描き出した、幻想的な傑作


シリー・シンフォニー38作目と、シリーズの中でも中期にあたる作品。
この時期の作品から、ディズニーは現在にまで受け継がれていく美しい画面構成、卓越したアニメーション技術、色鮮やかな色彩設計を自分の物にしていく。
その最大の成果が1937年の『白雪姫』に始まる長編作品群なのだが、この作品でもそういった後の傑作に繋がる素晴らしい要素を数多く秘めているといえよう。

物語は有名な子守唄『ロッカバイ・ベイビー』をバックに、赤ちゃんと犬のぬいぐるみが幻想的な夢の世界へとたどり着く、安らかで夢見心地なシーンから始まる。

次に我々の目を奪うのは擬人化されたベビー用品たちの大行進。ここまでの一連のシーンにおける色彩設計、そして背景の美しさは素晴らしいの一言に尽きる。
この時期のカートゥーンではこういった『奇妙なキャラクター達の行進』のシークエンスがよく用いられるのだが、幻想的な世界観を演出するにはうってつけの方法だったのだろう。

そうこうするうちに2人は何やら『赤ちゃん禁止の庭園』に迷い込む。そこにあるのはインク、マッチ、はさみといった危険な物ばかり。コーラスによる忠告を無視して赤ちゃんがマッチで遊んでいると、マッチから出た煙が三匹の化け物へと変貌する。
この恐ろしく幻想的な化け物たちのダンスシーンは作品内で最も印象深いシークエンスであろう。
恐ろしい化け物から逃げ、恐怖に怯える二人の前に現れたのは妖精ザントマン。彼の撒く砂を浴びた二人は、瞬く間に安らかな眠りにつくのであった。

この作品は終始甘く美しいBGM、幻想的な世界観で構成されており、カートゥーンに刺激的なギャグを求める人には向いていないかもしれない。(実は筆者もこういう作品が大好き、という訳ではナイ…)
だが、夢見心地で無垢な美しさに溢れたこの作品は、公開から85年が経過した現在でも色褪せる事のない魅力を放っていると言えるだろう。
後にディズニ―自身が似たテーマを扱った短編『子どもの夢』(1938)を発表しており、両作品を比較するのも楽しいかもしれない。




※収録DVD:シリー・シンフォニー 限定保存版 (初回限定) [DVD]

2018年2月27日火曜日

Babes in the Woods(魔法使いの森)

監督:バート・ジレット
公開日:1932年11月19日
評価点:★6

「シリ―・シンフォニー」の転換点


シリーシンフォニー第32作、カラー製作が開始されてから間もない頃に制作された一篇。古いおとぎ話「Babes in the woods」に、グリム童話の「ヘンゼルとグレーテル」のエッセンスを多分に入れながら独自に脚色して完成した『ディズニー流おとぎ話』である。

アニメーションについては1932年のディズニー作品と考えると概ね及第点と言うべきか。「魔女の家」や「不気味な森」の美術設定は、5年後の「白雪姫」にも繋がる怪奇的な魅力を放っている。また冒頭の魔女の岩を紹介するシークエンスについても、そのアニメーション、背景美術の美しさは特筆すべきであろう。

だが、キャラクターのデザインや作画に関しては…少し微妙と言わざるを得ない。特に子供たちのデザインについては―32年製作だという制作時期を考慮してもお世辞にも秀逸とは言えないー、かなり凡庸なものである。
小人についても同様で、同時期に制作された秀作『Santa's Workshop』(1932)とほぼ同じデザインにもかかわらずその魅力が『サンタ』に比べて充分に発揮できなかったのは残念だと言う他はない。

しかし、この作品が公開された32年11月に、ディズニーでは作品クオリティの向上を図るため、スタッフを集めてシュイナード美術学校の夜間部で独自にアート・クラスを開くようになる。
そのためこの作品以降、スタジオでは驚異的なスピードで作品の完成度が向上していくのだ。そういう意味では、この作品はディズニーにおける『古典的なアニメーション』からの転換点とも言えるだろう。



※収録DVD:シリー・シンフォニー 限定保存版 (初回限定) [DVD]