2018年5月13日日曜日

Just Dogs(ワンちゃん放浪記)

監督:バート・ジレット
公開日:1932年7月30日
評価点:★6

犬たちの生き生きとした描写が楽しい一作


シリー・シンフォニー第30作であり、従来は『ミッキーマウス』シリーズの脇役として登場していたプルートが主演を務めた初の作品である。
『三匹の子ぶた』『花と木』をはじめとする数多くの初期ディズニー作品を演出したバート・ジレットが今作でも監督を務めており、際立ったユーモアや格別な美しさなどは目立たないものの堅実で素直に楽しめる作品となっている。

野犬の収容所に入れられたプルートと子犬。なんとかプルートを喜ばせたい子犬は檻をこじ開け、他の犬たちにも頼まれ檻を全て開放する。子犬のおかげで脱走できたプルートだったが、なぜか子犬には冷たく接したまま。
それなら、と子犬はプルートに骨をプレゼント。喜ぶプルートだったが相変わらず子犬には冷たいままである。そんな時、二匹が骨を持っている事に気付いた他の犬たちが怒って一斉に二匹に襲い掛かる。子犬は機転を利かせて犬たちにノミをぶっかけ、見事に骨を守る。ようやくプルートは子犬と仲良く接するのだった。

1931年以降の『シリー・シンフォニー』は音楽的な要素が薄くストーリー性を重んじた作品も少しずつ増えてきており、この作品もその一つである。作画のクオリティも最初期に比べるとかなり向上しており、犬たちの生き生きとした描写が楽しい。特に冒頭の収容所に収監されている犬たちの描写はそれまでとは一線を画すリアルさがあり、目を見張るものがある。
欲深く意地悪なプルート、純粋にプルートの事が大好きな子犬、二匹間で性格がまるで異なり、それぞれしっかりとした個性を持っている点も興味深い。



※収録DVD:シリー・シンフォニー 限定保存版 (初回限定) [DVD]

0 件のコメント:

コメントを投稿