2019年1月7日月曜日

The Plow Boy(ミッキーの畑仕事)

監督:ウォルト・ディズニー
公開日:1929年6月28日
評価:★5

ホーレス・ホースカラーのデビュー作


「ミッキーマウス」第8作。
本作前後から、バート・ジレットやベン・シャープスティーン、レス・クラーク、そしてウィルフレッド・ジャクソンといったアブ以外のアニメーターたちが作画に大きく関わるようになる。彼らは1930年にアブがディズニーから独立した後、スタジオの作風をより洗練されたものへと変化させていく。

農夫に扮するミッキーは、乳絞り女のミニーと出会う。ミッキーは自分の仕事はそっちのけで乳絞りを手伝うが、調子に乗ってむりやりミニーとキスしてしまったのでミニーはカンカンに怒り出す。それを見てホーレスは大笑いするが、ちょうどその時飛んできた蜂に刺されてしまったのだからさあ大変。ホーレスは痛さのあまり大暴れ、さらには切り株にぶつかった衝撃で鋤が壊れてしまった。嘆き悲しむミッキーだったが、なんとそこにはのんきに土を掘っている豚がいるではないか。大喜びするミッキーとホーレスは豚を鋤に見立てて、再び畑を耕し始めるのだった。

(図1)
この時期のミッキー作品に共通する欠点だが、本作には一貫したストーリーラインが存在しない。後半のホーレスが暴走するシーンにて次々と登場する視覚ギャグは楽しいが、基本的にはテンポも悪く音楽も貧弱で退屈な内容である。
肝心のギャグも粗野な物が多く、ディズニーの持つ田舎っぽさが悪い意味で目立ってしまった作品と言えるだろう。また背景とキャラクターの動きが反対になっているために、キャラが逆向きに歩いているように見えるシーンも存在する。(図1)
本作で特筆すべきなのは、本作が1934年頃にドナルドやグーフィーといった魅力的なキャラクターが登場するまでミッキーの名脇役として活躍したホーレス・ホースカラーのデビュー作だとされている点である。(文献やサイトによっては本作に登場する牝牛がクララベル・カウだとされている事もあるが、本作の牝牛はほとんど擬人化されていないため、ただの家畜だろうと筆者は考えている。)



収録DVD:ミッキーマウスDVDBOX vol.1

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