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2018年5月7日月曜日

Feline Follies(フェリックスの初恋)

監督:オットー・メスマー
公開日:1919年9月1日
評価:★5

フィリックスのデビュー作


映画プロデューサーのパット・サリヴァンとアニメーターのオットー・メスマーによって誕生し、キャラクターとしてのパーソナリティーの強さやアニメーション技術の高さから1920年代を通じてアメリカン・カートゥーンの王者となった『フィリックス・ザ・キャット』。この作品はそんなサイレント期を代表するアニメシリーズの記念すべき第一作である。
とはいえ、パラマウント・マガジンの1コーナーとして公開されたこの作品ではまだ後にフィリックスとなる黒猫には『フィリックス』という名前は付けられておらず、『トム』という名前で登場する。

シリーズ後期の作品とは作風が少し異なっており、いかにも1910年代の『Animated Cartoon』といった趣である。背景デザインは線のみで構成されたシンプルなもので、アニメーションの動きは少しぎこちなく、キャラクターは表情に乏しい。
何より、フィリックス(トム)のデザインはこの時点ではリアルな黒猫であり、キャラクターとしての個性、つまりパーソナリティーを持つまでには至っていない。これは特定の主人公を持つアニメーションとしてはかなりの痛手と言えるだろう。(同時期のブレイ・スタジオの作品群も同じような欠点を持っていた)
フィリックスにデザインや性格上の個性が目立ち始めるのは、ビル・ノランがメスマーのアシスタントとして頭角を現し始める1924年頃からである。

まだ「フィリックス」として完成していない作品とはいえ、この作品もそれなりに楽しめる。白猫に恋をしたトムは何度も彼女に会いに行くが、トムが出かけている間に彼が飼われている家ではネズミが大暴れ。家を追い出されたトムは途方に暮れるが、白猫との間にたくさんの子供が生まれてしまった事を知り、絶望したトムはガス自殺を図ろうとする(!!)のだった。
シンプルなストーリー仕立てにはなっているが、ブラックなオチが光る一編である。また、しっぽが疑問符になるという体を使ったフィリックスらしいギャグも用いられており、後の発展を考える上で興味深い。



収録DVD:フィリックス Felix the Cat DVD BOX ( DVD2枚組 )

2018年2月2日金曜日

Bobby Bumps' Tank

監督:アール・ハード
公開日:1917年12月30日
評価点:★5

『戦車』を扱った最も初期のアニメ

先日テレビアニメ『ガールズ・パンツァー』を視聴してまんまとその魅力にハマってしまった。まだTVシリーズ・OVAしか視聴できていないニワカではあるが、近いうちに劇場版・現在公開中の最終章と続けて見ていきたい。
それはさておき、今回はブレイ・スタジオ初期の代表作であり、セル方式を用いた最初期の商業アニメシリーズである『ボビー・バンプス』の一作についてレビューする。

ある日ボビーとその愛犬フィドが作ったのは、なんと馬で動く戦車。この戦車を使ってボビー達はおじいさんが経営する農園に侵入する。彼らは農園でやりたい放題にいたずらするが、結局戦車は壊れてしまいおじいさんにいたずらの後始末を命令されてしまう。
演出や作画は制作年代を考えると概ね及第点だが、この作品の最も注目すべき所は当時最先端だった『戦車』を作品のテーマに用いた事である。


当時は第一次世界大戦の真っ只中であり、ヨーロッパにて戦車が導入され始めたのはちょうどこの作品が製作された時期(1916~17年頃)である。つまり、この作品は『戦車』を扱った最も初期のアニメーションなのだ。
そして、この頃からアニメーションは『時代を映す鏡』としての一面を持っていた事がよくわかる重要な資料でもある。



※収録DVD:Cartoon Rarities of the 1920s