公開日:1919年9月1日
評価:★5
フィリックスのデビュー作
映画プロデューサーのパット・サリヴァンとアニメーターのオットー・メスマーによって誕生し、キャラクターとしてのパーソナリティーの強さやアニメーション技術の高さから1920年代を通じてアメリカン・カートゥーンの王者となった『フィリックス・ザ・キャット』。この作品はそんなサイレント期を代表するアニメシリーズの記念すべき第一作である。
とはいえ、パラマウント・マガジンの1コーナーとして公開されたこの作品ではまだ後にフィリックスとなる黒猫には『フィリックス』という名前は付けられておらず、『トム』という名前で登場する。
シリーズ後期の作品とは作風が少し異なっており、いかにも1910年代の『Animated Cartoon』といった趣である。背景デザインは線のみで構成されたシンプルなもので、アニメーションの動きは少しぎこちなく、キャラクターは表情に乏しい。
何より、フィリックス(トム)のデザインはこの時点ではリアルな黒猫であり、キャラクターとしての個性、つまりパーソナリティーを持つまでには至っていない。これは特定の主人公を持つアニメーションとしてはかなりの痛手と言えるだろう。(同時期のブレイ・スタジオの作品群も同じような欠点を持っていた)
フィリックスにデザインや性格上の個性が目立ち始めるのは、ビル・ノランがメスマーのアシスタントとして頭角を現し始める1924年頃からである。
まだ「フィリックス」として完成していない作品とはいえ、この作品もそれなりに楽しめる。白猫に恋をしたトムは何度も彼女に会いに行くが、トムが出かけている間に彼が飼われている家ではネズミが大暴れ。家を追い出されたトムは途方に暮れるが、白猫との間にたくさんの子供が生まれてしまった事を知り、絶望したトムはガス自殺を図ろうとする(!!)のだった。
シンプルなストーリー仕立てにはなっているが、ブラックなオチが光る一編である。また、しっぽが疑問符になるという体を使ったフィリックスらしいギャグも用いられており、後の発展を考える上で興味深い。
収録DVD:フィリックス Felix the Cat DVD BOX ( DVD2枚組 )
とはいえ、パラマウント・マガジンの1コーナーとして公開されたこの作品ではまだ後にフィリックスとなる黒猫には『フィリックス』という名前は付けられておらず、『トム』という名前で登場する。
シリーズ後期の作品とは作風が少し異なっており、いかにも1910年代の『Animated Cartoon』といった趣である。背景デザインは線のみで構成されたシンプルなもので、アニメーションの動きは少しぎこちなく、キャラクターは表情に乏しい。
何より、フィリックス(トム)のデザインはこの時点ではリアルな黒猫であり、キャラクターとしての個性、つまりパーソナリティーを持つまでには至っていない。これは特定の主人公を持つアニメーションとしてはかなりの痛手と言えるだろう。(同時期のブレイ・スタジオの作品群も同じような欠点を持っていた)
フィリックスにデザインや性格上の個性が目立ち始めるのは、ビル・ノランがメスマーのアシスタントとして頭角を現し始める1924年頃からである。
まだ「フィリックス」として完成していない作品とはいえ、この作品もそれなりに楽しめる。白猫に恋をしたトムは何度も彼女に会いに行くが、トムが出かけている間に彼が飼われている家ではネズミが大暴れ。家を追い出されたトムは途方に暮れるが、白猫との間にたくさんの子供が生まれてしまった事を知り、絶望したトムはガス自殺を図ろうとする(!!)のだった。
シンプルなストーリー仕立てにはなっているが、ブラックなオチが光る一編である。また、しっぽが疑問符になるという体を使ったフィリックスらしいギャグも用いられており、後の発展を考える上で興味深い。
収録DVD:フィリックス Felix the Cat DVD BOX ( DVD2枚組 )
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