公開日:1922年2月1日
評価:★7
実写とアニメーションの奇妙な融合
1922年、『フィリックス』シリーズは配給元がそれまでのパラマウントからウィンクラー・プロダクションに移行し、より刺激的で個性の強い作品群が産み出される事となる。この作品はそんなウィンクラー配給の下公開されたフィリックス作品の第一作である。
パラマウント時代からその前兆を見せていた個性が、ようやく開花し始めたのもこの時期の作品だ。サイレント時代のフィリックスは独特なパントマイムで感情を表し、「?」や「尻尾」といった記号や体の部位を利用することでトラブルを解決する。この作品でもそんなフィリックスの「お決まり」とも言える個性を思う存分に堪能できるが、この作品の醍醐味は何と言っても「実写とアニメーションの融合」だろう。
ストーリーは、警察に捕まって野球の試合に出られなくなった友人のためにフィリックスが野球にチャレンジする、という物。機転を利かせたオチ、大人びたユーモアがフィリックスらしくて面白い。
この作品では実写の写真や映像が頻繁にアニメーションの中に挿入される。とはいっても、サイレント時代のカートゥーンでは実写とアニメーションを融合させる手法は定番中の定番であり、手法自体に革新性がある訳ではない。
しかし、この作品ではその使い古された手法をうまく活用し、シュールなギャグとして成立させているのが素晴らしい。フィリックスは暴れ回るだけの存在ではなくしっかりとした自我を持ち、実写の世界の中で実写の人物と対話し、行動しているのだ。
特にフィリックスの友人が実写のビルをよじ登っていくシーンに関しては、実写作品やアニメーションでは決して味わう事のできない格別な臨場感を味わう事ができる。
また、この作品は同時期の他のフィリックス作品と比べて背景が細かく、リアルに描かれている。実写映像の使用にしろ、かなり力を入れて製作された事が窺える一作だ。
パラマウント時代からその前兆を見せていた個性が、ようやく開花し始めたのもこの時期の作品だ。サイレント時代のフィリックスは独特なパントマイムで感情を表し、「?」や「尻尾」といった記号や体の部位を利用することでトラブルを解決する。この作品でもそんなフィリックスの「お決まり」とも言える個性を思う存分に堪能できるが、この作品の醍醐味は何と言っても「実写とアニメーションの融合」だろう。
ストーリーは、警察に捕まって野球の試合に出られなくなった友人のためにフィリックスが野球にチャレンジする、という物。機転を利かせたオチ、大人びたユーモアがフィリックスらしくて面白い。
この作品では実写の写真や映像が頻繁にアニメーションの中に挿入される。とはいっても、サイレント時代のカートゥーンでは実写とアニメーションを融合させる手法は定番中の定番であり、手法自体に革新性がある訳ではない。
しかし、この作品ではその使い古された手法をうまく活用し、シュールなギャグとして成立させているのが素晴らしい。フィリックスは暴れ回るだけの存在ではなくしっかりとした自我を持ち、実写の世界の中で実写の人物と対話し、行動しているのだ。
特にフィリックスの友人が実写のビルをよじ登っていくシーンに関しては、実写作品やアニメーションでは決して味わう事のできない格別な臨場感を味わう事ができる。
また、この作品は同時期の他のフィリックス作品と比べて背景が細かく、リアルに描かれている。実写映像の使用にしろ、かなり力を入れて製作された事が窺える一作だ。
収録DVD:フィリックス Felix the Cat DVD BOX ( DVD2枚組 )
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