2018年8月2日木曜日

Rival Romeos(ライバル・ロメオズ)

監督:ウォルト・ディズニー
公開日:1928年5月5日
評価:★8

『ミッキーマウス』の原点ともいえるギャグが盛りだくさん


1928年に入り、デザインが丸っこくなって後のミッキーマウスのようなプロポーションになったオズワルド。アニメーションの質も飛躍的に向上し、この頃から後の『ミッキーマウス』『シリー・シンフォニー』といったシリーズに通じる魅力が垣間見えるようになる。
このギャグに溢れた愉快な短編も、そんな1928年度の作品。作品単体でも魅力的な本作だが、この作品を語る上でどうしても外せない点が一つある。それは、数あるオズワルド作品の中でも、後の短編に使い回されたギャグが非常に多いという事なのだ。

彼女のオルテンシアに会いに行くオズワルド。その後ろにいるのは、ブルジョアな身なりをした恋敵ピート。2人は車で競争するが、なんとかオズワルドが先にオルテンシアの家に到着。オズワルドは彼女に歌をプレゼントしようとするが、ヤギに楽譜とバンジョーを食べられてしまう。仕方なくオズワルドはヤギをオルガンに見立てて音楽を演奏するのだった。
ところがそれをうるさく思った隣人の猫が花瓶や額縁を投げてくる。オズワルドがそれらを避けるのに必死になっていると、ようやくピートがオルテンシアの家に到着。二人はオルテンシアを力ずくで取り合いっこしたため、オルテンシアは激怒してしまった。
結局オルテンシアは三番目にやってきたのっぽの犬と一緒にデートに出かけてしまい、ピートとオズワルドはお互いの腰を蹴り合うのだった。

テンポが良くギャグも豊富、それにアニメーションも流麗で、作品単体で観ても十分に楽しい本作品なのだが、注目すべきなのはそれだけではない。
前述した通り、この作品には後のディズニー作品、そしてアイワークス・スタジオ作品に流用されたギャグが数多く見られるのだ。以下、流用されたギャグを筆者が気付いた範囲内で列挙する。

1.冒頭のオズワルドとピートが車で競争するギャグ
『Ragtime Romeo』1931年
(カエルのフリップ、アイワークススタジオ作品)
2.楽譜にハエが止まり、音符と間違えて弾いてしまうギャグ
『名指揮者ミッキー(The Barnyard Concert)』1930年
(ミッキーマウス)
3.オズワルドの口が画面一杯に広がるギャグ、ヤギが楽譜とバンジョーを食べてしまうギャグ、ヤギをオルガンに見立てて演奏するギャグ
『蒸気船ウィリー(Steamboat Willie)』1928年
(ミッキーマウス)
4.隣人が壺や額縁をオズワルドに投げつけるギャグ
『カーニバル・キッド(The Karnival Kid)』1929年
(ミッキーマウス)

と、一つの短編内で4つのギャグが後年使い回されているのである。しかもリメイク作としてではなく、それぞれ別作品でギャグのみ拝借しているのだ。特に、ヤギのギャグに関してはあの『蒸気船ウィリー』で作品の要となる要素として再利用されているのだから面白い。
『ミッキーマウス』の原点は、やはりオズワルドだったのだ。



収録DVD:オズワルド・ザ・ラッキー・ラビット 限定保存版

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