公開日:1931年6月22日
評価点:★5
小さなビーバーが住処を守ろうと大奮闘
シリ―・シンフォニー第19作となるこの作品は、同年の『Birds of a Feather』と同じく自然の生き物にスポットを当てた短編である。面白さという点では正直首を傾げたくなる作品ではあるが、堅実な作画やフランク・チャーチルの牧歌的な音楽が、いかにも30年代初期のディズニーらしい雰囲気を醸し出しており悪くはない。
邦題は『カワウソ物語』とあるが、この作品に登場するのはカワウソではなくビーバーである。ビーバーは川にダムを作るという生態はよく知られているが、本作品もそんなビーバーの珍しい生態にスポットを当てた物語となっている。
ダムづくりに勤しむビーバーたち。音楽に合わせて木を切り倒したり、小枝を川に運んだりと大忙しの彼らだが、そんな時、突然大洪水がやってくる。ダムがあるから一安心…かと思いきや、作りが甘かったのかダムは今にも決壊しそうだ。このままでは住処が危ない!ある一匹の勇敢なビーバーが、大きな木を一人で切り倒した。川はせき止められ、喜び踊るビーバーたち。勇気あるビーバーを皆でたたえるのだった。
刺激的なギャグやスピード感はこの作品には存在しない。かといって後の『The Old Mill』(1937)のような写実主義に徹しているわけでもなく、数ある『シリー・シンフォニー』の中でも少し中途半端な印象を受けてしまう短編である。
だが、流石はディズニーというべきか、洪水シーンでは目を見張るような背景動画が登場する。この美しい背景動画がこの作品のハイライトと言っても良いだろう。
※収録DVD:シリー・シンフォニー 限定保存版 (初回限定) [DVD]
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