公開日:1933年8月19日
評価点:★7
夢の世界を美しく描き出した、幻想的な傑作
シリー・シンフォニー38作目と、シリーズの中でも中期にあたる作品。
この時期の作品から、ディズニーは現在にまで受け継がれていく美しい画面構成、卓越したアニメーション技術、色鮮やかな色彩設計を自分の物にしていく。
その最大の成果が1937年の『白雪姫』に始まる長編作品群なのだが、この作品でもそういった後の傑作に繋がる素晴らしい要素を数多く秘めているといえよう。
物語は有名な子守唄『ロッカバイ・ベイビー』をバックに、赤ちゃんと犬のぬいぐるみが幻想的な夢の世界へとたどり着く、安らかで夢見心地なシーンから始まる。
次に我々の目を奪うのは擬人化されたベビー用品たちの大行進。ここまでの一連のシーンにおける色彩設計、そして背景の美しさは素晴らしいの一言に尽きる。
この時期のカートゥーンではこういった『奇妙なキャラクター達の行進』のシークエンスがよく用いられるのだが、幻想的な世界観を演出するにはうってつけの方法だったのだろう。
そうこうするうちに2人は何やら『赤ちゃん禁止の庭園』に迷い込む。そこにあるのはインク、マッチ、はさみといった危険な物ばかり。コーラスによる忠告を無視して赤ちゃんがマッチで遊んでいると、マッチから出た煙が三匹の化け物へと変貌する。
この恐ろしく幻想的な化け物たちのダンスシーンは作品内で最も印象深いシークエンスであろう。
恐ろしい化け物から逃げ、恐怖に怯える二人の前に現れたのは妖精ザントマン。彼の撒く砂を浴びた二人は、瞬く間に安らかな眠りにつくのであった。
この作品は終始甘く美しいBGM、幻想的な世界観で構成されており、カートゥーンに刺激的なギャグを求める人には向いていないかもしれない。(実は筆者もこういう作品が大好き、という訳ではナイ…)
だが、夢見心地で無垢な美しさに溢れたこの作品は、公開から85年が経過した現在でも色褪せる事のない魅力を放っていると言えるだろう。
後にディズニ―自身が似たテーマを扱った短編『子どもの夢』(1938)を発表しており、両作品を比較するのも楽しいかもしれない。
物語は有名な子守唄『ロッカバイ・ベイビー』をバックに、赤ちゃんと犬のぬいぐるみが幻想的な夢の世界へとたどり着く、安らかで夢見心地なシーンから始まる。
次に我々の目を奪うのは擬人化されたベビー用品たちの大行進。ここまでの一連のシーンにおける色彩設計、そして背景の美しさは素晴らしいの一言に尽きる。
この時期のカートゥーンではこういった『奇妙なキャラクター達の行進』のシークエンスがよく用いられるのだが、幻想的な世界観を演出するにはうってつけの方法だったのだろう。
そうこうするうちに2人は何やら『赤ちゃん禁止の庭園』に迷い込む。そこにあるのはインク、マッチ、はさみといった危険な物ばかり。コーラスによる忠告を無視して赤ちゃんがマッチで遊んでいると、マッチから出た煙が三匹の化け物へと変貌する。
この恐ろしく幻想的な化け物たちのダンスシーンは作品内で最も印象深いシークエンスであろう。
恐ろしい化け物から逃げ、恐怖に怯える二人の前に現れたのは妖精ザントマン。彼の撒く砂を浴びた二人は、瞬く間に安らかな眠りにつくのであった。
この作品は終始甘く美しいBGM、幻想的な世界観で構成されており、カートゥーンに刺激的なギャグを求める人には向いていないかもしれない。(実は筆者もこういう作品が大好き、という訳ではナイ…)
だが、夢見心地で無垢な美しさに溢れたこの作品は、公開から85年が経過した現在でも色褪せる事のない魅力を放っていると言えるだろう。
後にディズニ―自身が似たテーマを扱った短編『子どもの夢』(1938)を発表しており、両作品を比較するのも楽しいかもしれない。
※収録DVD:シリー・シンフォニー 限定保存版 (初回限定) [DVD]
0 件のコメント:
コメントを投稿