公開日:1929年4月11日
評価:★4
ミッキーが本来のネズミの大きさで登場する異色作
「ミッキーマウス」第6作。
作画は主にアブ・アイワークスとベン・シャープスティーンの2人が担当したようだ。確かに本作辺りから、アブのタッチとは若干異なる作画が見受けられるようになる。ベン、そしてバート・ジレットはちょうどこの時期にディズニーのスタジオへ入社し、アブの影響が色濃かったスタジオの作風を徐々に変化させていく。
トム・キャット(ピートによく似ているが、別人らしい)が狩りに出かけると、ミッキーとミニーは彼らの友人であるネズミたちと一緒にトムの家へと忍び込む。ミッキーとミニーはピアノで「かわいいオーガスチン(Oh du lieber Augustin)」を弾き、他のネズミたちは家具や自分を楽器に見立てて楽しく演奏を始める。他にも「Listen to the Mocking Bird」や「埴生の宿(Home Sweet Home)」といった古くから伝わる歌をバックに様々なギャグが展開される。
前作『ミッキーのオペラ見学(The Opry House)』まではその快活さで作品に華を添えていたBGMが、本作では突如として貧弱になり音楽面での魅力が非常に薄くなってしまった。その割には音楽ありきのギャグやダンスシーンが内容の大部分を占めており、視覚的なギャグやストーリーラインは皆無に等しい。全体を通して、少し退屈な作品である。
1929年度の「ミッキーマウス」は本作のようにトーキーの物珍しさに甘んじたかのような作品が目立っており、こうした作品群に不満を持ったアブや音楽監督であるカール・ストーリングのフラストレーションが、「シリー・シンフォニー」という新しい実験的なシリーズを生み出すきっかけになったのではないだろうか。事実、「シリー・シンフォニー」の第一作『骸骨の踊り(The Skeleton Dance)』のアイデアをウォルトに最初に提案したのはストーリングだったのだ。
また、本作は「アリス・コメディー」時代の短編『アリスの家を守ろう(Alice Rattled by Rats)』(1925)のリメイク作であり、両作の間で類似したギャグが見受けられる。(3匹のネズミが自分たちを蓄音機に見立ててレコードを演奏するというギャグなど)
またリメイク元の設定をそのまま踏襲したためか、本作はミッキー達が実際のネズミと同じ大きさで登場するという非常に珍しい作品でもある。
作画は主にアブ・アイワークスとベン・シャープスティーンの2人が担当したようだ。確かに本作辺りから、アブのタッチとは若干異なる作画が見受けられるようになる。ベン、そしてバート・ジレットはちょうどこの時期にディズニーのスタジオへ入社し、アブの影響が色濃かったスタジオの作風を徐々に変化させていく。
トム・キャット(ピートによく似ているが、別人らしい)が狩りに出かけると、ミッキーとミニーは彼らの友人であるネズミたちと一緒にトムの家へと忍び込む。ミッキーとミニーはピアノで「かわいいオーガスチン(Oh du lieber Augustin)」を弾き、他のネズミたちは家具や自分を楽器に見立てて楽しく演奏を始める。他にも「Listen to the Mocking Bird」や「埴生の宿(Home Sweet Home)」といった古くから伝わる歌をバックに様々なギャグが展開される。
前作『ミッキーのオペラ見学(The Opry House)』まではその快活さで作品に華を添えていたBGMが、本作では突如として貧弱になり音楽面での魅力が非常に薄くなってしまった。その割には音楽ありきのギャグやダンスシーンが内容の大部分を占めており、視覚的なギャグやストーリーラインは皆無に等しい。全体を通して、少し退屈な作品である。
1929年度の「ミッキーマウス」は本作のようにトーキーの物珍しさに甘んじたかのような作品が目立っており、こうした作品群に不満を持ったアブや音楽監督であるカール・ストーリングのフラストレーションが、「シリー・シンフォニー」という新しい実験的なシリーズを生み出すきっかけになったのではないだろうか。事実、「シリー・シンフォニー」の第一作『骸骨の踊り(The Skeleton Dance)』のアイデアをウォルトに最初に提案したのはストーリングだったのだ。
また、本作は「アリス・コメディー」時代の短編『アリスの家を守ろう(Alice Rattled by Rats)』(1925)のリメイク作であり、両作の間で類似したギャグが見受けられる。(3匹のネズミが自分たちを蓄音機に見立ててレコードを演奏するというギャグなど)
またリメイク元の設定をそのまま踏襲したためか、本作はミッキー達が実際のネズミと同じ大きさで登場するという非常に珍しい作品でもある。
収録DVD:ミッキーマウスDVDBOX vol.1
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