公開日:1934年10月26日
評価:★6
オランダの風車小屋にまつわる、ある騒動を描く
フライシャー・スタジオがディズニーの「シリー・シンフォニー」に対抗して1934年に開始したシリーズ『カラー・クラシック』の第二作。当時ディズニーが三色式テクニカラーを独占していたため、独占契約が切れた1936年度までの作品は発色が劣る二色式テクニカラーで撮影されており、この作品もその中の一作である。(第一作の『ベティのシンデレラ(Poor Cinderella)』のみシネカラー)
作画は30年代の同スタジオを代表する作画スタッフのウィラード・ボウスキーと、後に多くのカラー・クラシックの作画を担当するデヴィッド・テンドラー。汚い身なりをした風車の持ち主の、荒々しい動きが見もの。
舞台はオランダの平和な村。ある2人の少年少女と可愛いアヒルが、丘の上にある風車小屋の周りで楽しく遊んでいた。ところがその風車小屋の持ち主は、ずるをしては金を稼ぐ事を生きがいとする汚い身なりをした男。男がお金を小屋の中に貯め込んでいるのを発見した2人は、男に捕まってしまう。アヒルは慌てて村の大人たちを呼び、男は無事に捕まった。村の人々は男の身なりをきれいにし、小屋の中も隅々まで掃除した。
するとどうだろう。あんなに下品だった男の身なりはすっかり綺麗になり、あんなに汚かった小屋の中も美しく蘇った。男は村の人々に感謝し、貯めこんでいたお金をみんなに分け与えるのだった。
本作では立体模型を用いたセットバック撮影がふんだんに取り入れられており、フライシャー独特の迫力を生み出しているのが素晴らしい。優れた音楽や背景美術もオランダの牧歌的な雰囲気をうまく演出しており、なかなか好印象な作品である。同じく『風車小屋』を作品の主題としたディズニーの『風車小屋のシンフォニー(The Old Mill)』(1937)と対比するのも一興だろう。
ただ、―これは『カラー・クラシック』短編のほぼ全てに言える事なのだが―作品内にユーモアが欠如しておりあまり楽しくないのが残念。1934年以降、フライシャー・スタジオはディズニーの影響を受けて徐々に作風が変化していき、初期にあったシュールな魅力が少しずつ失われていくのである。
作画は30年代の同スタジオを代表する作画スタッフのウィラード・ボウスキーと、後に多くのカラー・クラシックの作画を担当するデヴィッド・テンドラー。汚い身なりをした風車の持ち主の、荒々しい動きが見もの。
舞台はオランダの平和な村。ある2人の少年少女と可愛いアヒルが、丘の上にある風車小屋の周りで楽しく遊んでいた。ところがその風車小屋の持ち主は、ずるをしては金を稼ぐ事を生きがいとする汚い身なりをした男。男がお金を小屋の中に貯め込んでいるのを発見した2人は、男に捕まってしまう。アヒルは慌てて村の大人たちを呼び、男は無事に捕まった。村の人々は男の身なりをきれいにし、小屋の中も隅々まで掃除した。
するとどうだろう。あんなに下品だった男の身なりはすっかり綺麗になり、あんなに汚かった小屋の中も美しく蘇った。男は村の人々に感謝し、貯めこんでいたお金をみんなに分け与えるのだった。
本作では立体模型を用いたセットバック撮影がふんだんに取り入れられており、フライシャー独特の迫力を生み出しているのが素晴らしい。優れた音楽や背景美術もオランダの牧歌的な雰囲気をうまく演出しており、なかなか好印象な作品である。同じく『風車小屋』を作品の主題としたディズニーの『風車小屋のシンフォニー(The Old Mill)』(1937)と対比するのも一興だろう。
ただ、―これは『カラー・クラシック』短編のほぼ全てに言える事なのだが―作品内にユーモアが欠如しておりあまり楽しくないのが残念。1934年以降、フライシャー・スタジオはディズニーの影響を受けて徐々に作風が変化していき、初期にあったシュールな魅力が少しずつ失われていくのである。
※収録DVD:Max Fleischer's Color Classics: Somewhere in Dreamland
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