公開日:1931年11月14日
評価:★8
評価:★8
シュールなギャグが次から次へと飛び出す傑作
『トーカートゥーン』第28作であり、シリーズ中で初めてベティ・ブープが完全な人間として登場した作品である。(今までは長い耳だったものがイヤリングになっている)
更にベティのデザイン変更と併せて、今まではあくまでもビン坊が主演だったのが今作を以ってベティ・ブープが主演となり(タイトル上部に大きく「Betty Boop in」と出る)、ビン坊は脇役に甘んじる事となる。
そんなシリーズの転機点となった本作品だが、これがなかなかの傑作に仕上がっている。
仮面舞踏会にやって来たベティは女王の座につくのだが、王様にちょっかいをかけられ憤慨する。そこへ先程まで楽団の指揮をしていたビン坊が仮面を持って現れ、王様と軽妙な歌のやり取りをする。(歌っているのは「Where Do You Work-a, John? 」というノヴェルティ・ソング) 仮面が王様の相手をしている間にビン坊はベティとふたりで会場を行進。奇妙な舞踏会の参加者たちも音楽に乗せてノリノリで行進する。
歌が終わると王様とビン坊がベティの奪い合いを始める。ここでベティのスカートがまくれ上がるという下品なギャグが挟まれるのだが、こういった露骨なギャグはヘイズ規制前である当時ならではと言えるだろう。
今度はベティが『You're the One I Care For』というロマンチックな歌を歌い始め、2人に決闘するようお願いする。
ビン坊チームと王様チームの二軍に分かれて剣術試合が始まり、またも音楽に合わせてノリノリで剣を振りかざす。この辺りのギャグのテンポの良さとシュール加減は素晴らしい。
激闘(?)の末にビン坊が負けてしまい牢屋行きとなるが、ビン坊を監獄へ連れていく騎士が兜を外すと実はベティ。ベティに「結婚してくれない?」と言われたビン坊は歓喜のあまりフライシャー十八番のスキャットを歌い始め、最後は目の中に「THAT'S ALL!」という文字が出て終了する。
この時期のフライシャー作品を文章で解説するなんて不可能かもしれない。なんてったってあのシュールな面白さは粗筋では決して味わえないのだ。とにかくキャラクターがノリに乗って無駄に動きまくる。本作品では「フライシャーあるある」な繰り返しの動作も少なく、常にキャラがくねくねと動き回るのだから最高だ。
何よりラストのスキャットの素晴らしさ。目がダンスをし、文字に変わるというシュールなギャグもさることながら、あの絶妙なトリップ感覚は格別である。
作画者は不明だが、シェーマス・カルへインとアル・ユーグスター辺りではないかと私は勝手に推測している。(デザインや動きの癖がそれっぽいような気がする)
ちなみに登場する王様は、「ベティの将棋合戦(Chess-Nuts)」に登場した爺さんと同一人物である。ベティの事を一方的に好いており、ちょっかいを出すという役柄まで同じ。この頃のベティはよく貞操を狙われる。
更にベティのデザイン変更と併せて、今まではあくまでもビン坊が主演だったのが今作を以ってベティ・ブープが主演となり(タイトル上部に大きく「Betty Boop in」と出る)、ビン坊は脇役に甘んじる事となる。
そんなシリーズの転機点となった本作品だが、これがなかなかの傑作に仕上がっている。
仮面舞踏会にやって来たベティは女王の座につくのだが、王様にちょっかいをかけられ憤慨する。そこへ先程まで楽団の指揮をしていたビン坊が仮面を持って現れ、王様と軽妙な歌のやり取りをする。(歌っているのは「Where Do You Work-a, John? 」というノヴェルティ・ソング) 仮面が王様の相手をしている間にビン坊はベティとふたりで会場を行進。奇妙な舞踏会の参加者たちも音楽に乗せてノリノリで行進する。
歌が終わると王様とビン坊がベティの奪い合いを始める。ここでベティのスカートがまくれ上がるという下品なギャグが挟まれるのだが、こういった露骨なギャグはヘイズ規制前である当時ならではと言えるだろう。
今度はベティが『You're the One I Care For』というロマンチックな歌を歌い始め、2人に決闘するようお願いする。
ビン坊チームと王様チームの二軍に分かれて剣術試合が始まり、またも音楽に合わせてノリノリで剣を振りかざす。この辺りのギャグのテンポの良さとシュール加減は素晴らしい。
激闘(?)の末にビン坊が負けてしまい牢屋行きとなるが、ビン坊を監獄へ連れていく騎士が兜を外すと実はベティ。ベティに「結婚してくれない?」と言われたビン坊は歓喜のあまりフライシャー十八番のスキャットを歌い始め、最後は目の中に「THAT'S ALL!」という文字が出て終了する。
この時期のフライシャー作品を文章で解説するなんて不可能かもしれない。なんてったってあのシュールな面白さは粗筋では決して味わえないのだ。とにかくキャラクターがノリに乗って無駄に動きまくる。本作品では「フライシャーあるある」な繰り返しの動作も少なく、常にキャラがくねくねと動き回るのだから最高だ。
何よりラストのスキャットの素晴らしさ。目がダンスをし、文字に変わるというシュールなギャグもさることながら、あの絶妙なトリップ感覚は格別である。
作画者は不明だが、シェーマス・カルへインとアル・ユーグスター辺りではないかと私は勝手に推測している。(デザインや動きの癖がそれっぽいような気がする)
ちなみに登場する王様は、「ベティの将棋合戦(Chess-Nuts)」に登場した爺さんと同一人物である。ベティの事を一方的に好いており、ちょっかいを出すという役柄まで同じ。この頃のベティはよく貞操を狙われる。
(作中で歌われる挿入歌「Where Do You Work-a, John? 」)
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