2018年2月9日金曜日

Chess-Nuts(ベティの将棋合戦)

監督:デイヴ・フライシャー
公開日:1932年4月13日
評価:★7


異様なテンポでギャグが繰り広げられる爆笑作


『Talkartoon』第38作、シリーズの中でも後期に位置する作品。今回主役を張るのは既にフライシャーの花形となっていたベティ・ブープ。脇役として先代のスターであるビンボーとココも登場する。

作品は実写から始まる。老人2人が楽しんでいたチェスから現れたのは『黒のお姫様』のベティと『白の王様』のビンボー。2人は何やら仲良さげだが、そんな時に醜い老人である『黒の王様』が2人を引き離す。
こうして始まった白vs黒の爆笑バトル。もはやチェスなどお構いなし、タッチダウンだの肉弾戦だの大騒ぎ。
果たしてベティ、そしてビンボーの運命は…?

この作品からは、トーキー初期におけるフライシャー作品の大きな魅力であるスウィング的なノリはあまり感じる事が出来ない。だが、全編に渡って繰り広げられる奇妙なギャグ、時たま挟み込まれるベティのセクシーなシークエンスでは、ベティの魅力を思う存分に楽しむ事ができる。
驚くべきなのはそのテンポの良さである。『笑えるギャグ』がハイテンションなノリで大量に放たれるのだ。これはこの時期の作品では異例と言って良いだろう。後に『ポパイ』で完成された破壊的なギャグセンスは、既にこの作品でその片鱗を見せている。



※収録DVD:Betty Boop: The Essential Collection, Vol.1

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