2018年9月5日水曜日

Neptune Nonsense(フィリックスと海の神様)

監督:バート・ジレット&トム・パーマー
公開日:1936年3月20日
評価:★7

フィリックスが海底で大冒険


ディズニー出身のアニメーター、バート・ジレットがヴァン・ビューレン・スタジオに移籍して手掛けたシリーズ『レインボー・パレード』。本作は、サイレント時代に絶大な人気を誇ったキャラクター『フィリックス』を主人公とした三部作の二作目である。
監督は前作と同じくバート・ジレットとトム・パーマー。二人ともディズニー出身のアニメーターなだけあって、本作も前作同様ミッキーマウスの短編を彷彿とさせる作品に仕上がっている。

フィリックスが飼っている金魚は、なぜか寂しそう。そこで金魚の友達を見つけてあげることにしたフィリックスは、さっそく釣りに出かける。ところが大きな魚に引っ張られて海底の世界へと真っ逆さまに落ちてしまったフィリックスは、そこで金魚の友達を探す事にした。ところが彼を誘拐犯だと勘違いした魚たちによってフィリックスは捕らえられてしまう。
海の神様と面会したフィリックスが事情を話すと、神様はフィリックスを孤児施設へと連れていった。神様は身よりのない金魚を一匹フィリックスにプレゼントする事にしたのだ。喜ぶ自分の金魚を見て、フィリックスも幸せそうな笑顔を浮かべるのだった。

前作と同様、作画面でのクオリティは従来のヴァン・ビューレン作品に比べて出色の出来である。また美術も素晴らしく、海底の幻想的な世界観を上手く演出している。ギャグこそ少ないが魅力的なアイデアは多く、特に海底に棲む魚たちのシークエンスはかなり快調といえるだろう。
問題としてはストーリーが余りにもありきたりすぎる、フィリックスの性格が良い子すぎるなどという点が挙げられるが、これは素晴らしい美術設定のおかげであまり気にならない。
全体を通して、「Sunshine Makers」(1935)と並ぶ「レインボー・パレード」の最高傑作といっても差し支えない快作といえるだろう。



収録DVD:フィリックス Felix the Cat DVD BOX (DVD2枚組)

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