2018年6月15日金曜日

Congo Jazz(混合ジャズ)

監督:ヒュー・ハーマン&ルドルフ・アイジング
公開日:1930年4月19日
評価:★5

ボスコがジャングルの動物たちと楽しくダンス


黒人少年ボスコを主人公としたシリーズ『ルーニー・テューンズ』第2作。作画はカーマン・マックスウェル、後にウォルター・ランツのスタジオに移籍し数多くの作品を監督するポール・スミスの2人である。2人はヒュー、ルドルフと同じくディズニー出身であり、『アリス・コメディ』といった初期シリーズの製作に携わっていた。
となると、この作品がサイレント期におけるディズニーそっくりの作風となるのも当然。事実この時期のボスコの動きやパーソナリティーは『オズワルド』そのものである。ストーリーラインもどことなくディズニーの『Africa Before Dark』(1928)や『Jungle Rhythm』(1929)を想起させる物となっている。

あらすじはシンプルで(この作品のメインはあくまでも音楽なのである)、狩りに来たボスコが猛獣に襲われそうになるが、音楽を奏でる事によりなんとか助かり、ラストは動物たちと一緒に軽快なジャズセッションを愉しむ、というもの。
アニメーションは良く出来ており音楽も愉快だが、ギャグや独創性、そしてキャラクターの個性に乏しく少し退屈な印象を受ける。これは同時期のルーニー・テューンズ、そしてハーマン=アイジング作品のほとんどに言える事であった。楽しいが、とにかく平凡でオリジナリティに欠けるのである。

この作品の見どころは、ラストの愉快なジャズセッションである。ディズニーとは異なり、音楽担当のフランク・マーセルズはワーナー・ブラザーズが権利を持つポピュラー音楽をBGMにふんだんに取り入れる事ができた。この作品でも、『Giving It This and That』という1930年に発表された軽快なジャズソングがラストで使用される。



※収録DVD:Looney Tunes Golden Collection Vol.6

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