2018年5月30日水曜日

Robin Hood, Jr.

監督:アブ・アイワークス
公開日:1934年3月10日
評価点:★6

ロビンフッドに扮したウィリーが大活躍


『カエルのフリップ』に次ぎアイワークス・スタジオが製作した『ウィリー・ホッパー』第七作。本作も前作『Hell's Fire』と同様本来は二色式シネカラーで制作されていたようだが、残念ながら現存するフィルムはモノクロのみ。しかしそれがかえってモノクロの階調に深みをもたらしているのが面白い。

邪悪なジョン王子と結婚する事となったメイド・マリオン(顔立ちはベティによく似ている)。楽しく歌を歌っていたウィリー扮するロビン・フッドに助けを求め、ロビンは道化師に扮して城に侵入。王子やその家来と熾烈な戦いを繰り広げ、最後は機転を利かせて大勝利。二人はキューピッド(こちらもベティ風の顔立ち…)によって見事結ばれるのだった。


さて、本作でも相変わらず主人公のウィリーは丸々としたデザインこそ漫画的で愉快だが個性に乏しい。同じくヒロインもベティ・ブープの亜流といった趣である。
だが、一貫したストーリー性を持ち、美しい背景と豊富なユーモアがふんだんに使われているのでそこそこ楽しめる佳作に仕上がっている。フライシャー的だが独特のスマートな魅力を併せ持つ作画スタイルは今作でも健在、後にワーナーに移籍し『ルー二ー=テューンズ』で活躍するカール・ストーリングの音楽もコミカルで楽しい。

作画は元フライシャー在籍組であり、後にディズニーに移籍するグリム・ナトウィック。この時期(1933ー34年頃)のスタジオにはナトウィックの他にシェーマス・カルヘイン、アル・ユーグスター、バーナード・ウルフといった面々がフライシャーからの移籍という形で在籍していた。後期アイワークス作品がデザインやギャグの面でどことなくフライシャー「っぽい」のは、主要スタッフにフライシャー組が多かった事も関係しているのではないだろうか。

※収録DVD:Ub Iwerks' Willie Whopper

2018年5月26日土曜日

Felix in the Swim(ピアノレッスンから抜け出せ!)

監督:オットー・メスマー
公開日:1922年7月1日
評価:★5

ネズミとフィリックスの協力作戦

ウィンクラー時代初年度である1922年の作品。第一作である『Felix Saves the Day』に比べると演出・作画の両面でトーンダウンした感が否めないが、それでもそこそこに楽しめる。この時期の水準作といったところだろうか。

フィリックスは、人情…ならぬ猫情からネズミ捕りにかかったネズミを助けてやった。フィリックスは友達のウィリーを水泳に誘うのだが、彼はピアノの練習があるから外へ出られない。そこでネズミは助けてもらったお礼にウィリーの代わりにピアノを弾き、隙を狙って2人は水泳に出かけるのだが…。というあらすじ。ヤギに服を食べられてしまう、などといったギャグも時折挟み込まれてはいるが、全体的にスピード感に乏しく少々退屈。

この小品の見どころは、中盤のネズミによるピアノ演奏にうかれてお母さんや服が踊り出すシークエンスだろう。音楽に合わせて服がひとりでに踊りだすといった擬人化ギャグは、ある意味トーキー時代を先駆けしたものともいえる。

背景デザインは線のみで構成されており非常に単調で、このスタイルは20年代を通して全く変わらない。この至ってシンプルな背景も、フィリックスというシリーズが放つ独特な雰囲気を支えていると言えるだろう。



収録DVD:フィリックス Felix the Cat DVD BOX ( DVD2枚組 )

2018年5月23日水曜日

Wise Flies(エロぐも)

監督:デイヴ・フライシャー
公開日:1930年7月18日
評価:★8

好色家のクモとハエが奏でる魅惑のスウィング


『トーカートゥーン』第7作、1930年代を通してスタジオの中心人物となるウィラード・ボウスキーがシリーズ中初めて作画としてクレジットされた作品である。他に初期作品を牽引したテッド・シアーズ、ノンクレジットだがグリム・ナトウィックも参加している。

なかなか食べ物にありつけず途方に暮れるクモ夫婦。やっとハエが巣にかかったと思ったら、かかったハエは色気むんむんのフラッパーガール。クモ旦那は名曲『Some of these days』に乗せて女ハエを誘惑するが、余りのふしだらさに堪忍袋の緒が切れた女将さんが旦那をフライパンで一撃するのだった。
まさにヘイズ規制の施行前だからこそ実現できたエロ・グロ・ナンセンス。当時観ていた大人達は爆笑していたに違いない。実際、当時のキネマ旬報を読むと、当時の観客や評論家の間でもフライシャーの都会的なセンスが大ウケしていたという事がよくわかるのだ。(この辺りについては「ベティ・ブープ伝」第4章が詳しい)

もちろんストーリー設定もナンセンスでオカしいのだが、それ以上にアニメーションや音楽が面白い。
前作『Hot Dog』『Fire Bugs』で開花した「アニメーションから漂うスウィング感」がさらに発展し、常にキャラクターがリズムに合わせて動く独特のスタイルが確立している。特に後半の『Some of these days』をバックにクモとハエ、そして様々な動物が繰り広げるダンスがとても愉しい。
最も早い段階(1924年)からアニメーションと音楽の融合を試みていたスタジオだからこそ実現した、観ているとこちらまで体を揺すってしまいたくなりそうな躍動感。アニメにスウィングの楽しさを求めるのならば、この時期のフライシャー作品を観ておけば外れはない。




(劇中で使用された「Some of these days」の録音)

2018年5月20日日曜日

『第2回 時報映画作品研究会』開催のお知らせ


こんばんは。カルトアニメに魅せられて早数年、『星の子ポロン』という作品の沼に入り浸るようになってから今年でなんとか2年目を迎えるかねひさです。
ポロン大量発掘がひと段落ついてから早9ヶ月が経過し、『星の子ポロン』を取り巻く環境もいよいよ転換期に入ってきたというか、今までとは違う動きが少しずつ見られるようになってきたと感じます。
前置きはこれくらいにして、さて。

~やります、時報映画作品研究会~

(タイトルロゴをケフィアさん、ポスター用イラストを田中どろんさんより頂きました。圧倒的感謝です)

●タイトル
第2回 時報映画作品研究会

●日時・場所
2018年8月19日(日)13:00~17:00
神戸映画資料館 ミニシアター室

●やること
作品を何点か参考上映しながら、『星の子ポロン』『ガンとゴン』を製作した映像会社「時報映画社」の交通教育作品を研究します。

●入場料金

一律1500円(お席は先着順となります)

●参加方法

予約不要、自由参加可能です。ただ席数が40席ほどと限られていますので、確実に座りたい!という方はお早めにご入場された方が良いかと思われます。(遅れての入場だと立ち見になる可能性もありますので…)
また、おおよその参加人数をあらかじめ把握しておきたいので、よろしければ下記フォームへの回答にご協力下さい。


~どんなイベントなの?~

そもそも『時報映画社』とは何なのか、まずはそこから説明させていただこうと思います。
「時報映画社」とは、幻のアニメ「星の子ポロン」「ガンとゴン」を製作した映像製作会社です。交通教育ものを始めとする、様々なジャンルの教育・PR映画を数十年に亘って手がけていました。(主に実写作品)
そんな膨大な作品の中でも、子供向けに制作された作品が一定数存在します。
そしてその中でも、子供にもわかりやすく交通安全を啓発するために、なんとアニメーション作品として製作された作品もいくつか存在しているのです。

ですが、これらの作品の多くは公共施設向けの16mmフィルムとして販売されたのみで、TV放送された実績は今のところ確認されていません。つまり、「ポロン」や「ガンゴン」のように有志から提供された録画テープからの発掘は現状ほぼ不可能に近いと言えます。つまり、これらの作品を観るのは事実上不可能に近いものと考えられていました。…がなんと、多くの有志の方のご協力により、昨年9月にkoichilさん主催で開催された『第1回 時報映画作品研究会』にて、それらの作品数点が研究参考として上映されました。
白熱した研究や討論が繰り広げられ大好評を博したこのイベント、ここ最近になって第2回の開催を望む声が密かに高まっていると感じます。
ところが、前回の主催者であるkoichilさんは現在諸事情により、主催を執り行うのは難しいとの事。

…というわけで、今回は私が主催を担当させていただく事になりました。
基本的には前回の企画を踏襲し、時報映画社が製作したといわれる交通教育作品を何点か参考上映しながら、それらの作品や時報映画社について研究する、という内容になります。トークも予定しています。
「もう一回行きたいなぁ」「前回は都合がつかなくて行けなかったなぁ」という方はもちろん、「ちょっと気になるなぁ」と思った方、その他少しでも興味を持たれた方はぜひお気軽にお越しください。
(内容に関しては前回とほぼ同一ですので、前回行けなかった方もぜひお気軽にご来場ください!)

さて当企画ですが、初めて主催を行うにあたって、ポロン活動の第一人者であるkoichilさんとケフィアさんに様々な面でサポートしていただいております。圧倒的感謝です。
初めて主催を担当しますので、至らない点は多々あるかと思いますがどうかよろしくお願いします。


また前回に引き続き会場をお貸しくださった、神戸映画資料館様に改めて深く感謝を申し上げます。
(住所・アクセス等の確認もこちらからお願いいたします。)

[2018/7/6追記]
神戸映画資料館様のHPに当イベントの情報が掲載されました。
http://kobe-eiga.net/program/2018/08/4165/


他に何か質問などがありましたら私のTwitter(DMでお願いします)、もしくは以下のメールアドレスにてご連絡をお願いいたします。
kanehisa877★gmail.com(★→@に変更)
※できる限り質問にはお答えしますが、諸事情によりお答えできない質問もございます。何卒よろしくお願いします…!


~Q&A~

Q.上映中の撮影・録音はできますか?
A.禁止しております。

Q.いつものポロン上映会みたいな応援・発声上映はOKですか?
A.今回はあくまでも『研究会』であり、貴重な作品を参考上映しながら研究を行うイベントですので、上映中にその妨げとなるような行為は絶対におやめください。
フィルムセッティング中の会話や、研究の妨げにならない程度の会話なら特に問題はありません。

Q.必要な持ち物などはありますか?
A.特に指定はございませんが、メモ・ペン等の持参・筆記は自由ですので研究に協力していただける方はぜひどうぞ。

Q.途中入退室はOKですか?
A.構いませんが、参加者様の邪魔にならないよう静かにお願いいたします。また、再入室に必要になるチケット代わりになる物もあらかじめ渡しておきますので、再入場の際はそちらをドア付近に配属予定の担当員にお見せください。

Q.会場内での飲食はできますか?
A.基本的にはNGですが、飲み物のみOKです。4時間ぶっ通しで水分補給なし、というのはやはりきちゅい…と思いますので、各自で随時水分補給をお願いいたします。

Q.入場料金を支払う際におつりが出ても大丈夫ですか?
A.できるだけおつりが発生しないようにお願いいたします。

Q.いつものポロン上映会みたいにグッズ販売なんかをやってもOKですか?
A.今回はあくまでも『研究会』ですので、会場内での販売はご遠慮ください。

Q.研究会ってなんか難しそうやな、参加しづらいねんけど
A.「研究会」という名前が付いてはいますが、必ずしも研究に参加しなければならない、という訳ではございません。「ちょっと興味あるな、行ってみっか」くらいの感覚でお気軽にお越しください。

Q.3回目以降の開催ってある?
A.未定です。


とりあえず今のところは以上となります。また何かあれば随時追記しますので、よろしくお願いします。

2018年5月16日水曜日

Felix Saves the Day(フィリックス 野球場で大活躍)

監督:オットー・メスマー
公開日:1922年2月1日
評価:★7

実写とアニメーションの奇妙な融合


1922年、『フィリックス』シリーズは配給元がそれまでのパラマウントからウィンクラー・プロダクションに移行し、より刺激的で個性の強い作品群が産み出される事となる。この作品はそんなウィンクラー配給の下公開されたフィリックス作品の第一作である。
パラマウント時代からその前兆を見せていた個性が、ようやく開花し始めたのもこの時期の作品だ。サイレント時代のフィリックスは独特なパントマイムで感情を表し、「?」や「尻尾」といった記号や体の部位を利用することでトラブルを解決する。この作品でもそんなフィリックスの「お決まり」とも言える個性を思う存分に堪能できるが、この作品の醍醐味は何と言っても「実写とアニメーションの融合」だろう。

ストーリーは、警察に捕まって野球の試合に出られなくなった友人のためにフィリックスが野球にチャレンジする、という物。機転を利かせたオチ、大人びたユーモアがフィリックスらしくて面白い。
この作品では実写の写真や映像が頻繁にアニメーションの中に挿入される。とはいっても、サイレント時代のカートゥーンでは実写とアニメーションを融合させる手法は定番中の定番であり、手法自体に革新性がある訳ではない。
しかし、この作品ではその使い古された手法をうまく活用し、シュールなギャグとして成立させているのが素晴らしい。フィリックスは暴れ回るだけの存在ではなくしっかりとした自我を持ち、実写の世界の中で実写の人物と対話し、行動しているのだ。
特にフィリックスの友人が実写のビルをよじ登っていくシーンに関しては、実写作品やアニメーションでは決して味わう事のできない格別な臨場感を味わう事ができる。

また、この作品は同時期の他のフィリックス作品と比べて背景が細かく、リアルに描かれている。実写映像の使用にしろ、かなり力を入れて製作された事が窺える一作だ。



収録DVD:フィリックス Felix the Cat DVD BOX ( DVD2枚組 )

2018年5月13日日曜日

Just Dogs(ワンちゃん放浪記)

監督:バート・ジレット
公開日:1932年7月30日
評価点:★6

犬たちの生き生きとした描写が楽しい一作


シリー・シンフォニー第30作であり、従来は『ミッキーマウス』シリーズの脇役として登場していたプルートが主演を務めた初の作品である。
『三匹の子ぶた』『花と木』をはじめとする数多くの初期ディズニー作品を演出したバート・ジレットが今作でも監督を務めており、際立ったユーモアや格別な美しさなどは目立たないものの堅実で素直に楽しめる作品となっている。

野犬の収容所に入れられたプルートと子犬。なんとかプルートを喜ばせたい子犬は檻をこじ開け、他の犬たちにも頼まれ檻を全て開放する。子犬のおかげで脱走できたプルートだったが、なぜか子犬には冷たく接したまま。
それなら、と子犬はプルートに骨をプレゼント。喜ぶプルートだったが相変わらず子犬には冷たいままである。そんな時、二匹が骨を持っている事に気付いた他の犬たちが怒って一斉に二匹に襲い掛かる。子犬は機転を利かせて犬たちにノミをぶっかけ、見事に骨を守る。ようやくプルートは子犬と仲良く接するのだった。

1931年以降の『シリー・シンフォニー』は音楽的な要素が薄くストーリー性を重んじた作品も少しずつ増えてきており、この作品もその一つである。作画のクオリティも最初期に比べるとかなり向上しており、犬たちの生き生きとした描写が楽しい。特に冒頭の収容所に収監されている犬たちの描写はそれまでとは一線を画すリアルさがあり、目を見張るものがある。
欲深く意地悪なプルート、純粋にプルートの事が大好きな子犬、二匹間で性格がまるで異なり、それぞれしっかりとした個性を持っている点も興味深い。



※収録DVD:シリー・シンフォニー 限定保存版 (初回限定) [DVD]

2018年5月9日水曜日

Fire Bugs(ピアノ火事)

監督:デイヴ・フライシャー
公開日:1930年5月9日
評価:★7

シュールで荒々しい作画が楽しい一作


『トーカートゥーン』第6作、ビン坊が登場する2番目の作品である。作画はトーキー初期のフライシャー・スタジオを牽引したテッド・シアーズとグリム・ナトウィック。『Swing You Sinners!』や『Barnacle Bill』を彷彿とさせる荒々しくシュールな作画が見ものだ。
消防士のビン坊と馬が火事場へと向かい、ピアノ演奏に夢中になっているピアニストを救出しようと奮闘する物語であり、ストーリーや作品設定に特筆性は余りない。注目すべきはアニメーションと劇伴音楽だろう。

ルー・フライシャーがスタジオの音楽監督に就任したことにより前作『Hot Dog』で突如開花した『音楽とアニメーションの見事なシンクロ』は、本作でも遺憾なく発揮されている。
作品冒頭ではノリの良いジャズが効果的に用いられ、ネズミや馬、そして靴や蹄鉄までもがリズムに乗ってスウィングする。中盤ではお調子者の馬がメンデルスゾーンの『春の歌』に乗せて優雅に踊り、終盤ではピアノ演奏に没頭するあまり火事に気付かないピアニストが『ハンガリー狂詩曲』を熱演。これら全てのアニメーションが見事に音楽とシンクロしており、ギャグとしてもなかなか出来が良い。

まだまだアニメーションは洗練されておらず、試行錯誤の跡が垣間見える。だが、野暮ったくゴム紐のようにスウィングするこの雰囲気は何ものにも代え難い。
フライシャー・スタイルがまだ確立していなかった時期に作られた、狂気に満ちた注目すべき佳作である。

2018年5月7日月曜日

Feline Follies(フェリックスの初恋)

監督:オットー・メスマー
公開日:1919年9月1日
評価:★5

フィリックスのデビュー作


映画プロデューサーのパット・サリヴァンとアニメーターのオットー・メスマーによって誕生し、キャラクターとしてのパーソナリティーの強さやアニメーション技術の高さから1920年代を通じてアメリカン・カートゥーンの王者となった『フィリックス・ザ・キャット』。この作品はそんなサイレント期を代表するアニメシリーズの記念すべき第一作である。
とはいえ、パラマウント・マガジンの1コーナーとして公開されたこの作品ではまだ後にフィリックスとなる黒猫には『フィリックス』という名前は付けられておらず、『トム』という名前で登場する。

シリーズ後期の作品とは作風が少し異なっており、いかにも1910年代の『Animated Cartoon』といった趣である。背景デザインは線のみで構成されたシンプルなもので、アニメーションの動きは少しぎこちなく、キャラクターは表情に乏しい。
何より、フィリックス(トム)のデザインはこの時点ではリアルな黒猫であり、キャラクターとしての個性、つまりパーソナリティーを持つまでには至っていない。これは特定の主人公を持つアニメーションとしてはかなりの痛手と言えるだろう。(同時期のブレイ・スタジオの作品群も同じような欠点を持っていた)
フィリックスにデザインや性格上の個性が目立ち始めるのは、ビル・ノランがメスマーのアシスタントとして頭角を現し始める1924年頃からである。

まだ「フィリックス」として完成していない作品とはいえ、この作品もそれなりに楽しめる。白猫に恋をしたトムは何度も彼女に会いに行くが、トムが出かけている間に彼が飼われている家ではネズミが大暴れ。家を追い出されたトムは途方に暮れるが、白猫との間にたくさんの子供が生まれてしまった事を知り、絶望したトムはガス自殺を図ろうとする(!!)のだった。
シンプルなストーリー仕立てにはなっているが、ブラックなオチが光る一編である。また、しっぽが疑問符になるという体を使ったフィリックスらしいギャグも用いられており、後の発展を考える上で興味深い。



収録DVD:フィリックス Felix the Cat DVD BOX ( DVD2枚組 )