公開日:1930年7月18日
評価:★8
『トーカートゥーン』第7作、1930年代を通してスタジオの中心人物となるウィラード・ボウスキーがシリーズ中初めて作画としてクレジットされた作品である。他に初期作品を牽引したテッド・シアーズ、ノンクレジットだがグリム・ナトウィックも参加している。
なかなか食べ物にありつけず途方に暮れるクモ夫婦。やっとハエが巣にかかったと思ったら、かかったハエは色気むんむんのフラッパーガール。クモ旦那は名曲『Some of these days』に乗せて女ハエを誘惑するが、余りのふしだらさに堪忍袋の緒が切れた女将さんが旦那をフライパンで一撃するのだった。
まさにヘイズ規制の施行前だからこそ実現できたエロ・グロ・ナンセンス。当時観ていた大人達は爆笑していたに違いない。実際、当時のキネマ旬報を読むと、当時の観客や評論家の間でもフライシャーの都会的なセンスが大ウケしていたという事がよくわかるのだ。(この辺りについては「ベティ・ブープ伝」第4章が詳しい)
もちろんストーリー設定もナンセンスでオカしいのだが、それ以上にアニメーションや音楽が面白い。
前作『Hot Dog』『Fire Bugs』で開花した「アニメーションから漂うスウィング感」がさらに発展し、常にキャラクターがリズムに合わせて動く独特のスタイルが確立している。特に後半の『Some of these days』をバックにクモとハエ、そして様々な動物が繰り広げるダンスがとても愉しい。
最も早い段階(1924年)からアニメーションと音楽の融合を試みていたスタジオだからこそ実現した、観ているとこちらまで体を揺すってしまいたくなりそうな躍動感。アニメにスウィングの楽しさを求めるのならば、この時期のフライシャー作品を観ておけば外れはない。
評価:★8
好色家のクモとハエが奏でる魅惑のスウィング
『トーカートゥーン』第7作、1930年代を通してスタジオの中心人物となるウィラード・ボウスキーがシリーズ中初めて作画としてクレジットされた作品である。他に初期作品を牽引したテッド・シアーズ、ノンクレジットだがグリム・ナトウィックも参加している。
なかなか食べ物にありつけず途方に暮れるクモ夫婦。やっとハエが巣にかかったと思ったら、かかったハエは色気むんむんのフラッパーガール。クモ旦那は名曲『Some of these days』に乗せて女ハエを誘惑するが、余りのふしだらさに堪忍袋の緒が切れた女将さんが旦那をフライパンで一撃するのだった。
まさにヘイズ規制の施行前だからこそ実現できたエロ・グロ・ナンセンス。当時観ていた大人達は爆笑していたに違いない。実際、当時のキネマ旬報を読むと、当時の観客や評論家の間でもフライシャーの都会的なセンスが大ウケしていたという事がよくわかるのだ。(この辺りについては「ベティ・ブープ伝」第4章が詳しい)
もちろんストーリー設定もナンセンスでオカしいのだが、それ以上にアニメーションや音楽が面白い。
前作『Hot Dog』『Fire Bugs』で開花した「アニメーションから漂うスウィング感」がさらに発展し、常にキャラクターがリズムに合わせて動く独特のスタイルが確立している。特に後半の『Some of these days』をバックにクモとハエ、そして様々な動物が繰り広げるダンスがとても愉しい。
最も早い段階(1924年)からアニメーションと音楽の融合を試みていたスタジオだからこそ実現した、観ているとこちらまで体を揺すってしまいたくなりそうな躍動感。アニメにスウィングの楽しさを求めるのならば、この時期のフライシャー作品を観ておけば外れはない。
(劇中で使用された「Some of these days」の録音)
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