2018年2月23日金曜日

Betty Boop's Bamboo Isle(酋長の娘)

監督:デイヴ・フライシャー
公開日:1932年9月23日
評価:★7

妖艶なダンスが楽しい一作


ハワイアン・バンドの「ロイヤル・サモアンズ」が奏でるハワイアンメロディーをバックに、ベティとビンボーが南国の島で一騒動を起こすという一種の探検物。

まずビンボーがウクレレをかき鳴らしながらボートで海を渡るシーンから物語は始まる。この時期(1932-34年頃)のフライシャー作品は総じて作画のクオリティーもトレス精度も高く、安定した独特の完成度を誇っているのも特徴の一つである。ストーリーは一応存在するが、ギャグとダンスシーンの為に後付けされたような物だ。そう、この作品の要となるのはハワイアンミュージックと共に繰り広げられるそのダンスシーンなのである。

ステレオタイプな先住民族に襲われそうになったビンボーは、顔に泥を塗りたくり頭に骨をぶっ刺す(!)事で自分も先住民族になりきり窮地を脱する。
ビンボーを仲間だと思った先住民たちは、彼に丁重なもてなしをする。そのもてなしの一つが、ロトスコープを用いて作画されたリアルなフラダンスだ。
フライシャー兄弟自身が1919年に発明し、サイレント期の作品のみならず『ベティの家出』(1932)等で絶大な効果を上げたフライシャー定番の手法であるが、本作品でも効果的に用いられている。

そして何よりこの作品の最大の魅力は、同じくロトスコープによって作画されたベティの妖艶なフラダンスシーンであろう。
陽気なハワイアンミュージックをバックに、ベティが滑らかなフラダンスを披露する。この頃の作品群はベティのセクシーさが最も過激になっていた時期にあたるのだが、この作品ではその性的な魅力が最も露骨に表れた例と言えるだろう。

そうしてビンボーは島でのひと時を楽しむのだが、突然雨が降ってくる。当然顔に塗っていた泥は溶けてしまい、怒った先住民に追いかけられるビンボーとベティ。
ノリノリのウクレレをBGMに、しばらくシュールな逃走劇が繰り広げられる。最終的に二人はうまく逃げ切る事に成功し、キスをして物語は終わる。お馴染みのオチである。
ベティ黄金期である32ー33年の数ある作品群の中でも、ハワイアンな空気が美味しい異色の一篇だ。

 

※収録DVD:Betty Boop: The Essential Collection, Vol.1

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